コンサルタント転職のこぼれ話
起業する為にはどのような準備が必要か?

2016年 9月 20日Author:入江 祥之

起業する為にはどのような準備が必要か?

コンサルタントのキャリア相談において、将来起業したいというご希望をお持ちの方が一定数おられます。

特に戦略系のコンサルタントに多い傾向です。
起業希望の方々からの質問で、「起業に向けてどのような準備が必要でしょうか?」、というご質問を受けることがあります。先日、起業希望の方と著名なベンチャーキャピタリストとの面談に同席する機会があり、参考になるお話を聞くことができたので、今回はそのお話をさせていただきます。
 
そのベンチャーキャピタリストはこれまでに何千、何万という起業家(起業希望者)と接点を持たれているかと思いますが、その方に、起業家に投資する際の判断基準を質問してみたところ、以下のような回答をいただきました。
 
「私はいくらビジネスモデルが秀逸だとしてもそれだけでは投資はしません。なぜなら、どんなにビジネスモデルが素晴らしくても最初の一年以内にほぼ確実にぐちゃぐちゃになるからです。だから、私は資金がショートしようが最後まで諦めないしぶとさ、粘り強さ、覚悟、腹の括り方といった部分を最も重視します。」
 
これを聞いて、私はすっと腹に落ちた気がしました。私も多くの経営者と会う機会がありますが、まさに上記の通り、成功している起業家はビジョンを熱く語り、ビジネスを成功、実現させることしか考えていないような方ばかりです。もしも失敗したら・・・、といったリスクやネガティブな話をすることはほとんどありません。
 
また、最近読んだ本で参考になる話がありました。
 
欲求5段階説を唱えたアブラハム・マズロー氏の「完全なる経営」という著書で、この中でリーダー論を語られています。
 
まず、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたいという、「安全欲求」のレベルの人は決して経営者には向かない。もう少し上位レベルの他者から認められたい、尊敬されたい、という「尊厳欲求(承認欲求)」レベルの人でも弱い。最低限、自分の能力を引き出し創造的な活動がしたいという、5段階欲求説の最上位レベルである「自己実現欲求」の域に達していないとリーダーには相応しくないと言われています。また、マズロー氏は晩年、「自己実現欲求」のさらに上の段階を発表されていて、それは、目的の遂行・達成『だけ』を純粋に求めるという「自己超越」という段階で、成功しているリーダーは大抵この域に達していると言われています。
 
これは前段のベンチャーキャピタリストの話に通ずるものがあると感じました。
 
また、私は自分一人でなんでもできる人はいないと思っています。自分ができないことに関しては、できる人を採用すれば良いのです。成功している経営者は採用力が高く、自身の実現したい将来像を熱く語り、何が何でも成功させるという意欲を持っている方がほとんどです。優秀な人材はこのような経営者に惹かれます。
 
冒頭の「起業に向けてどのような準備が必要でしょうか?」という質問に対して、人によって回答は異なるかと思いますが、現時点で私が答えるとすれば、資金調達する手段は増えていますし、採用力によって経験、スキルを補うこともできるので、不屈の闘志を持ち、熱くビジョンを語れる状態になれば起業されても良いのではないかと思っております。
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