コンサルタント転職のこぼれ話
転職先を決めるポイントを「登山」に例えて考える

キャリアコンサルタント 永田 憲章

転職先を決めるポイントを「登山」に例えて考える

転職活動を通じて複数の企業からオファーを獲得され、どの企業に入社すべきかを検討されている現役コンサルタントの方から、「転職先を決めるには、どのような観点で考えれば良いか」というご相談をいただきました。
 
その回答を「登山」に例えながら考えるとわかりやすいのではと思い、お伝えします。
転職先を決めるための主な観点は3つあり、「どの山を」「誰と」「どのような立場で」登るのかが重要です。

どの山を登るのか(転職先企業のミッションやビジョン)

転職を登山で例えるなら、山頂は「企業が目指すミッションやビジョン」です。その山をあなたが夢中で登りたいと思えるかどうか、考えてみましょう。
 
例えば、山の頂上から見える景色を想像した時に、エネルギーが沸いたり、ワクワクしたりしますか?
 
頂上までの道のりについても考えてみましょう。
 
・どのくらいの高さか
・頂上は見えているのか、雲に隠れて見えないのか
・登山道はあるのか、道なき道をゆくのか
 
このあたりも想像してみると、登りたい山かどうかが見極められるでしょう。人生を賭けて登りたいと思える山が見つかるなら最高です。
 
 
誰と登るのか(転職先の社員)
 
高い山に登るならパーティーを組む必要があります。転職で言うならば、転職先の社員の方々です。
 
こんな点を確認してみると、自分にフィットするパーティーであるかわかるでしょう。
 
・パーティーのリーダーについていきたいか
・どんなメンバーがいるのか
・パーティーの雰囲気は厳しいのか、それとも和気あいあいとしているのか
・困難があったときに力をあわせて乗り越えられそうか
・どのようなペースで山を登ろうとしているのか
 
また、登る山が高く険しい場合は登山ルートが変わったり、登る山が変わったりする可能性もあります。

しかし、パーティーのメンバーが最高なのであれば、高いモチベーションを保てるでしょう。「何をするかより、誰と働くか」とよく言われますが、人を重視して転職先を決める方は多いです。
 
 
どのような立場で登るのか(事業会社かコンサルファームか)
 
事業会社に入社するなら山を登る立場です。一方、コンサルティングファームに入社する場合は、高い山に登ろうとしているお客様を支える立場になります。
ちなみに、日系ファームのシグマクシスでは、コンサルタントを「お客様のプロジェクトの成功に向けて共に歩んでいくシェルパ(ヒマラヤ登山の案内人)」と捉えられています。
 
あなたは、どの立場で山を登りたいか、一度考えてみましょう。
 
事業会社の場合は、頂上を目指すパーティーの一員として、どのような貢献ができるか?という視点が必要です。過去に似ている山に登ったことがあるなら注意点を伝えられます。もし、初めて上るタイプの山でも、近しいパーティーで登った経験があるなら、専門性を活かして貢献できるでしょう。
 
もし、似た山での登山経験がなく、パーティーでの役割も初めての場合は、早期にキャッチアップできそうかを確認しましょう。同時に、キャッチアップまでに何らかの貢献をするマインド・アクションが重要です。まったく貢献できそうになければ、パーティーには加われないかもしれません。
 
コンサルティングファームに入社する場合は、どの山に登るお客様をどう支えるかを考えてみましょう。お客様と一緒に山を登るのか、それとも山には同行せずアドバイスだけをするのか。一緒に登る場合は、頂上までなのか中腹までなのかという観点も必要です。
 
プロフェッショナルであることが求められるためプレッシャーもありますが、山頂に着いたお客様から喜びの声を伝えられたとき、大きな感動があるでしょう。
 
転職先を探している段階は、地図を見ながら「どの山に登ろうか」と幅広く考えている状態です。最終的に転職先を決めるときには、今回お話しした3つの観点を踏まえて、じっくりと検討してみましょう。
 
最終的に転職先を決めるときに迷われた際は、キャリアコンサルタントを頼ってみてください。大切にされている価値観、志向やキャリアビジョン、プライベートの状況などもお聞かせいただきながら、どの企業に入社するといいか(あるいは現職に残ったほうがいいか)を一緒に考えております。

(2022年12月20日)
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