コンサルタント転職のこぼれ話
環境・GX領域の中途採用マーケットの将来性

キャリアコンサルタント 永田 憲章

環境・GX領域の中途採用マーケットの将来性

GXへの取り組みを、企業は求められている
今年に入り、脱炭素や次世代エネルギーに関する求人情報を複数のスタートアップ企業からお預かりすることが増えました。これからはGX(グリーントランスフォーメーション)の時代と言われていますが、中途採用市場にもその波が訪れているように感じます。
 
さまざまな環境問題を技術の力で解決し、持続可能な社会の実現を目指す取り組みであるGXですが、経済産業省の公表によれば、「脱炭素社会に向けた大競争時代に突入」ともいわれています。(世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等を取り巻く状況より)
 
グローバル企業でサステナビリティを中核とした企業変革に関わる役員の方と打合せをしたところ、「海外では、環境に考慮した製品でなければ、消費者から購入してもらえない状況になっている」と、かなり強い危機感を持っていらっしゃいました。
 
2022年5月に経済産業省が公表しているクリーンエネルギー戦略中間整理(概要)によれば、脱炭素に必要となる投資額は10年間で約150兆円です。
 
今年、プライム市場に上場している企業は、気候変動関連の事業リスクを国際的な枠組み(TCFD)に沿って開示することが、実質的に義務付けられています。「見える化」が実現され、次は具体的な改善活動が求められることを考えると、それらの活動を担う人材のニーズが、具体的な中途採用ポジションとして増えていくでしょう。
 
 
GXの採用ニーズが、DXのように活況になる可能性が想定できる
以前は、この領域の求人は、日系大手企業が広報部門の一部としてCSRポジションを募集する程度でした。大手コンサルティングファームで、電力・ガス会社向けの戦略コンサルタントや業務・ITコンサルタントを求めていることはありましたが、環境やサステナビリティに関するコンサルタントはほとんど募集していなかったように思います。
 
ここ数年、サステナビリティやSDGsの重要性が高まっており、経営上の重要ポジションとして、環境に関連したポジションを募集する企業が増えてきました。

コンサルティングファームにおいても、サステナビリティ・SDGs・環境・気候変動・循環社会などのキーワードで、コンサルタントを募集しています。
 
現在のGXに関連した中途採用は、活況であるDX(デジタルトランスフォーメーション)ほどの温度感では行われてはいません。

しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)の中途採用マーケットが活況になった時期は2021年と直近であることから考えると、環境やGXに関する採用もある時期を境に活況になることが想定されます。
 
そのため、今この領域に飛び込めば、将来のトップランナーになれる可能性もあるでしょう。社会的に大きな意義があり、市場規模も非常に大きい環境・GX領域を、今後のキャリアの選択肢に含めていただけたらと思います。
 
環境・GXに関する業務は未経験でも、戦略コンサルタントやERPコンサルタントとしての経験を重要視して募集されている企業もあります。少しでも興味がありましたら気軽にご連絡ください。

(2022年10月19日)
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