お客様と長く深く関わり、 「人材教育」を武器に現場から 企業をより良く変えていく。 この面白さはきっと他では味わえない。株式会社プレセナ・ストラテジック・パートナーズ 代表取締役社長・グローバルCEO 高田貴久

Vol.42

お客様と長く深く関わり、 「人材教育」を武器に現場から 企業をより良く変えていく。 この面白さはきっと他では味わえない。

株式会社プレセナ・ストラテジック・パートナーズ

代表取締役社長・グローバルCEO高田貴久氏

公開日:2018.04.11

インタビュアー 入江・永田・工藤

「ビジネススキルの体系化と普及」をミッションに掲げ、コンサルタント出身の高田氏が2006年に創業したプレセナ・ストラテジック・パートナーズ。いまや、日本を代表する上場企業300社を超えるクライアントにビジネススキル研修やアセスメントを提供し、教育研修市場で圧倒的な存在感を示している。このビジネスを立ち上げた背景や、人材教育にかける思い、そして今後のビジョンなどについて高田氏に話をうかがった。

Message

新卒入社した外資系ファームでの苦労が、起業の原点に。

工藤
高田さんの経歴を拝見させていただくと、新卒で外資系コンサルティングファームのアーサー・D・リトル(ADL)に入社し、製造業のマブチモーターで経営企画を経験され、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)で再びコンサルタントとしてのキャリアを積まれた後、このプレセナ・ストラテジック・パートナーズを起業されています。最初のキャリアとしてコンサルタントを選ばれたのはどうしてですか。
高田
私は社会に出るまで紆余曲折あり、学生時代、いろいろと事情があって東京大学の理Iを中退し、京都大学の法学部に再入学しているんです。就職にあたっては総合商社を志望していたのですが、不覚にも二度留年してしまい、希望していた企業への就職が年齢制限で引っかかってしまって……それで途方に暮れていたら、友人から外資系なら年齢は関係ないと聞き、コンサルティングファームに興味を持ったんですね。私は当時、自分が所属する企業が世の中に与えるインパクトと、その企業に自分が与えるインパクトの掛け算で、仕事の価値が決まると考えていました。大企業は世の中に対する影響力は大きいものの、若手のうちは下積みが長い。一方、ベンチャーなら早くから責任あるポジションに就けますが、社会に与える影響は大企業に比べればやはり小さい。その点、コンサルティングファームは若いうちから大企業のトップにアプローチでき、そこに自分が影響を及ぼせるのではないかと。それで外資のファームに片っ端から応募したのですが、そのうちのひとつがADLでした。もともと私は理系がバックボーンなので、ADLは技術系の案件に強いという話に魅力を感じたのも決め手の一つでした。
入江
もともとコンサルタントを志望されていたわけではなかったのですね。
高田
そうなんです。コンサルタントの実情をよく理解しないまま入社したものですから、当初は苦労しましたね。当時はまだ新卒で外資のファームに入るのはマイナーで、教育研修の体制などもほとんど整っていない状況。いまでも覚えているのが、入社初日にマネージャーから「今度クライアントにプロポを出すから競合をベンチマークしてマテ作って」といきなり指示されて……何を言っているのかさっぱりわからず、当時は生意気だったので「指示の意味がわからない。わかるように説明してくれ」と食ってかかっていました(笑)。提案書を作る時も、マネージャーからたびたび「ロジカルじゃない」「クライアントに響かない」などと指摘されたのですが、じゃあロジカルとは何か?クライアントに響くとはどういうことなのか?と問い質すと、明確に説明できないんですよ。とにかく「経験を積んだら出来るようになるから」と。ただそれだと時間がかかりすぎるし、経験していないと何も出来ないことになるので、仕方なく自分なりに色々な人の話を総合して「良い○○」と「悪い○○」の違い、たとえば良い分析と悪い分析、良いプレゼンと悪いプレゼンの違いなどを言語化し、ナレッジを体系化していきました。そしてコンサルタントとして独り立ちすると、それを新卒入社の後輩たちに教えていったんです。たとえ若くて経験がなくても、きちんとナレッジをインストールしてあげれば活躍できるという信念があって、いま振り返ればそれがプレセナの原点でしたね。
工藤
その頃から、ゆくゆくは人材教育で起業しようという考えをお持ちだったのでしょうか。
高田
いえ。その時はまだ、コンサルティングを究めてADLでグローバルトップを目指そうと思っていました。コンサルティングというのは、自分が提供するサービスで企業を変え、従業員を幸せにして世の中をより良くしていくことに貢献できる仕事。そこに大きな意義を覚えていたのですが、そのうちキャリアの断絶を感じるようになって……当時のADLは、グレーヘア・コンサルタントを標榜して40代半ばのMBAホルダーの中途入社者が第一線を担っていました。彼らから事あるごとに「君は事業会社での経験がないから」「MBAを持っていないから」と言われ、悔しい思いをしていたんです。若い、経験がないというだけで否定するのはおかしいと思う一方、彼らのようなキャリアや能力が自分にはないことも事実で、だんだん未来が見えなくなってきたんですね。そんな折、クライアントであったマブチモーターから「企業変革に力を貸してほしい」とのオファーをいただき、一度は事業経営を経験したいという思いもあり、また一代でこの企業を築き上げた創業社長の考えに触れてみたいという興味もあって、こちらに参画することを決意したのです。

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企業を変えるには、現場にアプローチするしかない。そんな信念が根底に。

工藤
マブチモーターにしばらく在籍された後、高田さんはまたコンサルタントに復帰されていらっしゃいますね。
高田
はい。マブチモーターとは3年契約でしたが、この間、経営に近いポジションで組織や事業の改革に取り組み、たいへんいい経験をさせていただきました。そして任期を終えてADLに戻ることも考えていたのですが、当時のADLの社内状況が良くなかったこともあり、そのタイミングでちょうど声をかけて頂いたBCGに移籍しました。
永田
そんな高田さんが敢えて起業を決断されたのは、何か契機があったのでしょうか。
高田
コンサルティングの仕事の仕方が、もう今の自分にはあわないなと感じたんです。マブチモーターで経営改革に携わっていた時、上層部を説得するよりも、現場の人に直接働きかけたほうが会社が変わることもあるのだと実感しました。そんな経験を重ねた後にコンサルティングの仕事を改めて手掛けると、違和感を覚えることが多く……。一言で言えば、コンサルティングは「時間がかかる」んですよね。膨大な資料を作って上層部を説得することに時間をかけるよりは、現場にわかりやすく説明してちゃっちゃと動いてもらった方がナンボか話が早いんじゃないか、という気持ちがぬぐい去れませんでした。私が本当にやりたいのは、志のある現場の人たちと一緒に会社をより良く変えていくこと。そのための方法として、現場に直接アプローチできる人材教育からクライアントに関わりたいと、このプレセナを立ち上げたのです。
永田
そうした背景もあって、いま教育研修を軸にしたサービスを展開されているのですね。この事業を運営されるにあたって、過去のコンサルティング経験が活かされていることはございますか。
高田
いま当社が提供しているサービス、たとえばロジカルシンキングによる問題解決やなどのビジネススキル研修は、私がコンサルタント時代に諸先輩方から叩き込まれたこと、それを元に自分で考え抜いて深化させたことがベースになっています。それまで暗黙知で行われていたコンサルティングにおいて、肝となる「ラーニングポイント」を明確にして若手に伝授した経験は、当社の現在の事業にも活きています。ただ、我々がやりたいのは研修を提供することではなく、現場の社員を支援することでお客様の経営に貢献すること。従来のトップアプローチのコンサルティングには限界があり、ミドルやボトムへのアプローチのほうが意義があるという信念のもと、このプレセナを立ち上げたわけですから。
入江
他の研修コンサルティング会社やコンテンツベンダーとは、一線を画しているということですね。
高田
そうだと思います。当社を正しく理解して下さっているお客様にはよく、同じサービスを提供している会社は世の中にないと言われます。研修コンテンツというのは、どんなに優れたものであっても、それが普及するとコモディティ化します。だから我々は、研修コンテンツを売っているのではない。人材育成的なボトムアップのアプローチでお客様を巻き込んで問題解決や戦略立案のワークショップを実施し、現場で実践していただき、その成果を検証していく。そうした営みを重ねていくことで、従来のコンサルティングとは異なる、お客様との新たな関係性を築いてきました。たとえば、大手自動車メーカーのお客様とはもう10年お仕事させていただいていますが、単なる研修ではなく「自社の事例を用いた研修コンテンツの内製化」「社内講師の育成」といった内容でお付き合いをしています。お客様が教材を作れるようになれば売り物がなくなりますし、また客先で講師を育成すればノウハウが流出してしまう。普通ならまず手がけないと思いますが、我々はお客様にふさわしい「人材育成」とは何かを一緒に議論し、研修の提供、教材内製化や社内講師育成、昇格試験の作成からカスタマイズeラーニングの開発に至るまで、お客様と一緒に、本当にあるべき形を創り上げていくのが我々のスタンス。コンサルティングファームでもアウトソーサーでもなく、まさに社名に掲げる通りの「ストラテジック・パートナーズ」としてお客様に関わっています。

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「問題解決」を強みに、人材教育の枠を超えたサービスもグローバルに展開。

工藤
御社は日本を代表する大手企業をクライアントとして多数抱えていらっしゃいます。そうしたお客様と長く深く関われるのは、プレセナでキャリアを積む大きな魅力ですね。
高田
その通りです。お客様と長くおつきあいするので、現場が変わっていくのを実感できる。そして何より「自社・自業務の問題解決ワークショップ」が主力サービスなので、普通のコンサルタントと比べると、入ってくる情報量も圧倒的に多い。お客様のいろんな部門の方々と関わり、かつ、多種多様な業界の企業を並行して担当することもありますから、あらゆるビジネスの動向に精通できるんです。だから、お客様に提供できる知見がどんどん増えていく。当社の場合、一人の担当者が営業と講師の両方を務め、お客様とどっぷり関わっていきますから、つきあいが深くなるにつれていろいろな相談をいただけるようになるんですね。人材教育から始まって新たなビジネスプランの提案に至ることもありますし、しかも最近はそのスケールがグローバルに及んでいる。たとえば先日、ある大手流通業から相談を受けたのは、マレーシアでの昇格アセスメントの策定。現地で彼らの目に適うサービスを提供しているベンダーが見あたらないらしく、「プレセナなら必ず助けてくれるはずだと思った」ということでご依頼を受けました。我々は商品を売っておらず「プレセナ・ストラテジック・パートナーズ」を売っていますから、既存の取引内容や現行のサービスメニューに関わらず、こうした特殊な案件であってもお客様からご相談を頂くことが出来る。お客様はプレセナを使い慣れてくると、「どんな変なボールを投げても打ち返してくれる」と次々と相談を持ちかけてきます(笑)。だからこそ、世の中の「ありもの」サービスに満足しない、リーディングカンパニーのお客様が取引先に多いと思っています。お客様に提供できることがこうしてどんどん広がっていくのは面白いですし、個人としても会社としても、成長実感を大いに味わえます。
永田
設立されてすでに10年以上経ちますが、高田さんはプレセナをこれからどのように発展させていきたいとお考えですか。
高田
いま実は当社は大きな変革期にあります。設立当初からプレセナは「全員経営」を標榜し、私は早々に代表の座を降りて権限を現場に委譲したのですが、正直、それが中途半端なところがあった。もともと当社は、営業や開発、講師などの機能別の組織にしていました。そのほうが事業を効率的に運営でき、新たに採用した人材の立ち上がりも早い。そしてそれぞれの組織を役員に託したのですが、機能別では全体最適を考えた意思決定ができないんですね。特に新たな事業を立ち上げる場合など、バリューチェーンを繋げて大胆に意思決定しなければならないのですが、そこまでの権限が与えられてない。いまはまだ従来の仕組みで何とか事業を拡大させていますが、このままではきっとうまくいかなくなる。そこで半年ほど前に代表に復帰し、再び全権を持って組織を根本的に作り直しているところです。
工藤
どのようにいま組織を作り直していらっしゃるのでしょうか。
高田
責任権限を本当に現場に移管していきます。コンセプトとしては、10名ほどの単位のSBU(Strategic Business Unit)で組織を切り出し、それぞれに4つのR、すなわちReward、Role & Responsibility、Resourceを委ね、大きな責任権限を持って事業を担う形にしたい。一方、プレセナには売上高や利益を追求する文化はありません。個々人にインセンティブがあって業績向上におのずとドライブがかかるので、数値目標を掲げる必要はないというのが我々のスタンス。このSBUも、責任権限が与えられたなかで事業をマネージし、人材を育て、組織を強くすることがミッションであり、こうした取り組みを通して当社が永続的に成長できる基盤を築いていきたいと考えています。
入江
いまコンサルタントとして活躍されている方のなかには、将来のキャリアとして「人材教育」に携わってみたいという人が結構いらっしゃいます。が、その前に一度、事業運営を経験したほうが、自分が語れることに厚みが出るのではないかという声もよく聞きます。これからのプレセナは、そうした事業運営を経験できるチャンスもあるということですね。
高田
ええ。これから当社はグローバルへのサービス展開や、デジタルを駆使した新たなビジネスの開発にいっそう注力していく方針ですが、それもSBUで推進していきます。ですからSBUを率いる立場に就くと、海外現地法人のマネジメントや、新規事業の立ち上げをリードできる。わざわざ事業会社に身を置かなくても、経営に近い経験ができると思います。ただ、それだけを志向する方、事業を立ち上げて数字を伸ばすことだけに喜びを感じるような方はプレセナには向いていないと思います。
工藤
では、どんな方がプレセナに参画すると幸せになれるのでしょうか。
高田
私はたまに冗談で、自分が建築家だったらガウディになっていたかもしれない、と話すことがあります。サグラダファミリアはもうすぐ完成するそうですが・・・「ビジネススキルの体系化と普及」は永遠のテーマであり、僕たちが生きているうちには絶対に完了しない。でもそこに情熱を持ち、世界中の悩めるビジネスパーソンたちに役立つ「ビジネススキルの体系」を構築して、後世に何かを残したいと思う人ならば、死ぬまで飽きずに取り組めると思っています。同時に、我々が追求しているのは、お客様の現場から会社をより良く変えていくこと。人に対して貢献したいというモチベーションが強く、自分が働きかけることで人の行動が変わるという、そうした手触り感を存分に味わいたいなら、きっとプレセナほど魅力的な場はないと思います。志を同じくする仲間がより多く集まることを楽しみにしています!

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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