|顧客体験・消費者視点をベースにした価値提供が求められている
「顧客視点」や「お客様の声」は経営やビジネスのキーファクターであり、さまざまな企業が取り組みを行っています。
例えば、私の前職でもあるアクセンチュアでは、顧客体験・消費者視点をベースにしたコンサルティング組織が急拡大しています。同社の組織はソリューションとインダストリーで構成されています。以前はソリューションに関しては「ストラテジー」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」という4つの組織でした。
その後、デジタルはすべての領域に存在するため、「デジタル」を発展的に解消し、「ビジネスコンサルティング」「インタラクティブ」「テクノロジー」「オペレーションズ」となりました。
さらに昨年は、製造業のデジタル化を推進する「インダストリーX」が新設され、「インタラクティブ」は「ソング」という組織名に改名されました。「インダストリーX」と「ソング」は、グローバルベースで今まさにクライアントから求められているソリューションです。
「ソング」という組織は、顧客との価値ある関係を作り続けることで、お客様の成長を加速させ、企業価値の向上に貢献することを目的にしています。直近は、戦略コンサルティング組織の一部がソングに移動しました。
組織変革の背景には、従来のコンサルティングだけでなく、顧客体験・消費者視点をベースにしたコンサルティングが求められていることが挙げられます。
|顧客視点を経営の中核におき、成長を続ける企業とは
顧客視点といえば、
お客様の声を経営の中核におく成長企業が思い浮かびます。
1社はファーストリテイリングです。同社はお客様の声が集まる組織を、経営の中核組織のひとつに位置づけています。代表の柳井氏は、常にお客様の声に耳を傾け、さまざまな改善指示をしているそうです。
同氏の『経営者になるためのノート』という著書では、
「商売に関するありとあらゆることをお客様のために徹するべき」と書かれています。
もう1社はSmartHR(スマートHR)です。同社は6つのバリューの1つとして
「人が欲しいと思うものをつくろう」を挙げています。このバリューについて、創業者である宮田氏は自身の
ブログで「最も好きな価値観である」と記しています。
|『顧客起点の経営』は、顧客視点をどう経営に落とし込んでいくかが理解できる
「顧客視点」や「お客様の声」が重要だと理解されている方は多いでしょう。ただ、
実際に事業・商品・サービスに落とし込み、PDCAを回し続けられるかが難しさでもあります。
こうした課題へのヒントになると感じた本が、西口一希氏の
『顧客起点の経営』です。
西口氏はP&Gやロート製薬でマーケティングを単層し、ロクシタンジャポン代表取締役、スマートニュースマーケティング執行役員を経て、現在はさまざまな企業の経営現場を支援・伴走されています。
西口氏は、多種多様な経営相談や投資相談を受ける中で、企業経営と顧客の関係に着目しました。同書には、大量生産で売り上げを伸ばせた昭和の成長モデルからの変化が必要であること、顧客起点の経営を実現する3つのフレームワーク、実際に顧客起点で経営変革を実現したエピソードなどが書かれています。「顧客視点」の理解が深まり、どう経営に組み込んでいくべきかを理解しやすい内容です。
コンサルタント、ポストコンサルタントにおいて、今後ますます「顧客視点」が求められるようになっていくでしょう。同書をまだお読みでない方にお勧めします。
(2023年2月20日)