先日、京都一人旅に行ってきました。
旅のテーマを「禅」に決め、京都を巡った結果、素晴らしい出会いもあり、しばらくの間、禅を深めていきたいと考えています。
そんな中で、平井正修氏が書かれた「心がみるみる晴れる座禅のすすめ」という本に出会うことができました。
「心」そのものとの向き合い方が書かれていて、禅や座禅に興味をお持ちでない方にもお薦めです。
本の中に「道に迷ったときどうしますか?」というページがあります。
どう生きていったらいいのかわからない。
人生の目標というものが見つからない。
こういった迷いの中にいるときにどうすれば良いかについて、平井氏は次のように言います。
--------------------------------------------------------------ここから引用
全生庵にもときどき、道に迷ったからといって連絡をとってくる人がいます。
「そちらに伺いたいのですが、どう行ったらよいのでしょうか?」
私は言葉に窮します。この問いには答えようがないからです。
そこで、こう問い直します。
「いま、あなたは、いったい、どちらに、いらっしゃるのですか?」
現在その人がいる場所がわからなければ、道を教えようがありません。
そう、道に迷ったら、真っ先にやるべきことは、立ち止まって、そのとき自分がどこにいるのか、その居場所を確認することなのです。
きわめて基本的なことなのに、案外、それを忘れることがある。
自分がどこにいるかわからずに、四方八方に視線をやって、「どの道を行けばいいのだ」とやっているのだから
道が見つかるわけもないのです。
--------------------------------------------------------------引用ここまで
生き方や人生の目標という壮大なテーマに対して、「目的地までの道に迷う」という身近な例をもとにまず自分の居場所を確認することの大切さを説く平井氏。
キャリアについても同様のことが言えるのではないでしょうか。
先日、弊社が開催しているキャリアイベント「汐留アカデミー」に青山社中筆頭代表の朝比奈一郎氏と、マザーハウス取締役副社長の山崎大祐氏がお越しくださり「ありのままに生きる ~30代までに身につけるべき「志の立て方」~」というテーマでお話をしてくださいました。
●リーダーとは志を持っている人であり、リーダーシップの原点は志。
●志を見つけるためには喜怒哀楽を大切にして欲しい。
喜怒哀楽を会社で押し殺している人が多いが、 喜怒哀楽こそがあなたを前に進めるパワー。
●志を消さないためには、自分のことを見続けてあげることと受け入れること。
モチベーションを復活させるタイプは人によって異なるから、 それを早く見つけられた人が活躍していくし、
そういう自分を受け入れることが大事。
お二人のお話を聞きながら「答えは自分の中にあるのだ」と強く実感する一方で、答えを見つけることは簡単ではない、答えを見つけたとしても「自分がどこにいるのか分からない」と迷ってしまう、という方もいらっしゃると思います。
対談の中では、人が志を失うのは「お金」と「忙しさ」というお話がありました。
多くの情報が飛び交う世の中で、仕事に家庭にプライベートにと慌ただしい日々を過ごすことにより、自分を見失いがちになってしまうのだと感じます。
落ち着かないなと思ったら、是非、平井氏の言葉を思い出していただき、忙しい中でも立ち止まる時間を作り、「今、自分はどこにいるのか?」と ご自身を見つめてみることをお薦めします。
(2017年10月20日)