コンサルタント転職のこぼれ話
キャリアの可能性を広げる「行動力」

キャリアコンサルタント 永田 憲章

キャリアの可能性を広げる「行動力」

松尾豊氏は「今の時代はチャンスに満ち溢れている」と語った

先日、東京大学で人工知能を研究されている松尾先生にインタビューする機会がありました。メディアでは、「AIが人の仕事を奪う」「AIにより無くなる職業はこれだ」といった記事をしばしば目にします。

しかし、松尾先生によれば今の時代はチャンスに満ち溢れていて希望しかなく、自分次第で成長できるチャンスがいくらでも得られるとのことでした。
 
また、個人がキャリアを高めていく上で重要な要素は「行動力」であるという示唆を得ることもできました。
松尾先生は東大生にアントレプレナーシップを教える際に、「とにかく行動しろ」と口を酸っぱくして伝えているそうですが、なかなか行動しないとも話されていました。
 
テクノロジーが進化していく中で、自分のキャリアとして何を意識したらいいか考えていることはないでしょうか。その質問を松尾先生にしたところ、「新しいテクノロジーをまずは色々使ってみたらいいと思います」という答えが返ってきました。

新しいテクノロジーが出て良さそうだと思ったなら、まずは実際に使ってみる。そんな風に行動力を発揮してみるといいそうです。
松尾先生ご自身が「やることが多くて面白くてしょうがない」とワクワクされていらっしゃったことが印象的で、前向きなエネルギーを感じる時間となりました。
 
松尾先生とのインタビューは以下の記事で紹介しています。
今の時代は希望とチャンスに満ち溢れている。松尾豊氏に聞く、AI×起業家輩出の可能性と未来

好きなことやワクワクすることをベースに行動する重要性
 
以前、イェール大学の成田先生とのインタビューで、「変わりゆく時代にどう考え、行動していけば良いか?」と質問しました。成田先生の答えは「変わり続ける時代の変化と戯れ続けていく」というものでした。
私は “戯れる”という表現が非常に好きです。

変化をしようとすると、同時に変わりたくないという気持ちが浮かんでくることもあると思いますが、楽しむ気持ちと行動が合わさった戯れるという言葉が、変化を阻害する感情を乗り越えるヒントにもなるのではないでしょうか。
 
また、以前このコラムで紹介したスタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授の「計画された偶発性」というキャリア理論では、積極的に行動することの重要性と、行動するための心構えが書かれています。
 
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個人のキャリアは、偶然に起こる予期せぬ出来事によって決定されている。
偶発的な出来事を意図的に生み出すように積極的に行動することで、キャリアを創造する機会を生み出すことができる。

そのために「好奇心」「持続すること」「柔軟でいること」「楽観的に考える」「リスクテーキング」の5つを大切にすべきである。

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行動の中身は必ずしも仕事に関連している必要はありません。

好きなことやワクワクすることをベースに行動した結果、誰かと出会い、それがキャリアに結びついていくこともあるでしょう。コンサルティングファームの方々は多忙な日々を送っていて、目の前の業務に忙殺されてしまうかもしれません。

ただ、行動することで初めて感じることや見えてくることがあります。ご自身の好奇心を大切にしていただき、積極的に行動していきましょう。

(2023年8月21日)
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