コンサルタント転職のこぼれ話
VUCA時代をチャンスに変えて未来を切り拓く

キャリアコンサルタント 永田 憲章

VUCA時代をチャンスに変えて未来を切り拓く

新型コロナウィルスの影響が世界でも日本でも広がっています。
 
昨年12月の時点では、何か新しい風邪が流行っているらしい、程度の認識でしたが、今では日本でも緊急事態宣言が発令され、正にVUCA(※)時代真っ只中と言えるでしょう。
※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字
 
このような中で、今回のコラムに何を書こうかとしばらく考えていたのですが、ファーストリテイリング第2四半期決算説明会における代表取締役会長兼社長の柳井氏のお話がVUCA時代の生き方につながると感じたので、決算説明会の動画から書き起こした内容を一部抜粋してお伝えします。
 
-----------------------------------------------------------ここから引用
今後の事業に対する姿勢ですが、今回の新型コロナウィルスの感染拡大は1つの引き金に過ぎないと考えています。
株式市場の暴落に代表される世界経済の変調は、これまでの水面下に潜む、様々な政治経済、環境などの問題に本質的な原因があると思います。こういうときだからこそ、危機の本当の原因を謙虚に見つめ、深く考え、原理原則に立ち返って新しい経営を行うことが大事と思います。
 
自分たちは何のために事業をやっているのか、世の中にどんな価値を提供し、誰のために役立っているのか、更に、一人ひとりの個人は何のために仕事をしているのか、こういうことを自ら問いかけて、自分の本来の原点に戻ることが何より重要だと考えています。
 
そして、自らの努力で、今回の危機を新たな機会に変える。
そのためには古い制度や仕組みを大幅にスクラップし、ゼロベースから出発して、会社の全てを作り変える覚悟をしております。
 
こういった前向きな発想を持つべきだと考えます。
-----------------------------------------------------------引用ここまで
 
 
今回の危機を新たな機会に変える、という前向きなスタンスが、VUCA時代を生きるためのベースになると感じます。
 
また、これまでの当たり前が当たり前でなくなるこのタイミングに自分の本来の原点に戻るための問いかけをすることは、普段とは異なる視点で自分を見つめることにもつながり今後のキャリアにとって大きな意味を持つはずです。
 
是非、皆様もご自身へ問いかけてみてください。 
 
「古い制度や仕組みを大幅にスクラップ、ゼロベースから出発」については、いざ取り組もうとしても中々良いアイデアが浮かびませんが、私はその道標とも言える書籍に巡り合うことができました。
 
それは、安宅 和人氏の著書『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』です。
 
『シン・ニホン』には安宅氏による日本の未来に向けた提言が散りばめられています
 
ファクトベースの現状分析を通じて日本の様々な課題が浮き彫りにされていて、その全体感を知ることもできるため、日本の古い制度や仕組みを大幅にスクラップするための前提知識を得られます。
 
更に、「日本は伸びしろだらけ」「日本のチャンスがかなりリアルに浮かぶ」という安宅氏の前向きなスタンスや、素敵な未来を次世代に残したいという安宅氏の想いが書籍の至るところから伝わってきて、ゼロベースから出発を後押ししてもらえているように感じます。
 
私自身、『シン・ニホン』を読みながら、キャリアコンサルタントとして日本の未来のためにどのような価値を提供できるのか、そのためにどう行動変容していったら良いのか、と考えはじめています。
 
既に読まれた方も多いと思いますが、まだの方には是非ご覧いただきたい書籍です。
 
 
たったの4ヶ月で、世の中は大きく変わり始めています。
我慢しなければならないこと、制約を受けてしまうこと、など様々な困難もありますが、今だからこそ見えてくるものがありますし、個人や組織を変えやすいタイミングとも言えますので、VUCA時代をチャンスに変えて、一緒に未来を切り拓いていきましょう

(2020年4月20日)
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