私は新卒でコンサルティングファームに入社し、6年勤務してから現在の仕事に転職し、個人のキャリアのご支援や、企業の採用支援をしています。
これまで現役コンサルタントの方々と面談する中で、「転職を視野に入れる前から意識しておくと、転職活動時にプラスに働くことがある」と感じることがありました。
今回はコンサルファーム在職時に意識しておきたいことについてお話しします。
|社内のプロジェクトを定期的に確認し、より経験したいプロジェクトへのアサイン希望を出す
コンサルファームから事業会社へ転職する場合、転職時に評価するポイントになるのは
「業界に関する知見」「ファンクション(企業部門)に関する知見」があることです。
例えば、アパレル業界の経営企画への転職を希望するなら、「アパレル業界(経験がない場合は製造業や消費財業界)の知見」「経営コンサルティングの知見」があることが重視されます。
ハイクラスなポジションであるほど即戦力であることが求められますし、即戦力と評価されればオファー条件が良くなります。
そのため、自分が興味のある業界・領域が見えてきたら、関連するプロジェクトで早く経験を積めるよう、アサイン(場合によっては部署異動)を希望することが大事です。
現在、興味のある業界・領域がない場合は、キャリアの方向性を見つけるためにも、社内のプロジェクトを定期的に確認してみましょう。少しでも面白そうと感じるプロジェクトがあれば、まずは経験してみることをおすすめします。
事業会社の場合は、お客様先への常駐や、現場を巻き込んで変革を推進した経験等があるとプラスになりますので、そのような観点でもプロジェクトを探してみてください。
|社内の別部署や、社外の事業会社や他のコンサルファームの人に会うことも大事
社内で異動希望を出す場合、希望部署に知人がいることや、プロジェクトを一緒に経験してあなたを高く評価している人がいるかがポイントになることがあります。
そのため、異動を考えている場合は積極的に社内のイベントや勉強会などに顔を出し、人脈を作っていきましょう。
社外とのネットワークを作っていくことも重要です。MBAスクールで出会った知人にCXOとして誘われた、プログラミングスクールで出会った方と起業した、など社外のネットワークがキャリアチェンジのきっかけになることがあるからです。
また、事業会社で働いている人や他のファームのコンサルタントなど社外の人から、仕事の面白さ・やりがい・難しさを聞いておくこともおすすめします。
社外を知ることで視野が広がり、自分が何に興味・関心を持っているかに気づくきっかけにもつながりやすいです。
そのため、同期や同僚が転職したら、しばらく経ってから食事に誘い、リアルな話を聞いてみましょう。
|プロジェクト終了時に、個人としての成果・実績を振り返る
転職活動中の書類選考や面接では、プロジェクト全体での成果・実績ではなく
「個人としてどのような成果・実績を出しているのか」が見られます。さらに、その成果・実績を再現できるかどうかを確認するために、以下のような質問で深掘りされることが多いです。
・何を課題と捉えたか
・課題に対して、どのような解決策を考え、どうアクションしたか
・アクションの結果はどうだったか
・次回、同じ課題に遭遇したらどうするか |
これらを転職のタイミングで整理しようとすると、記憶が曖昧で詳細に思い出せないこともあります。
日々忙しいコンサルティングワークをしながら整理するのは大変なので、プロジェクトが終了するごとに整理し、記録しておくと良いでしょう。
もし、成果や実績を振り返って「アピールできることが少ない」と感じたら、危険信号かもしれません。次のプロジェクトは気持ちを引き締めて臨むようにしましょう。
弊社では、中長期にキャリアを支援させていただくことを大切にしています。
例えば、「現状、どのような転職の可能性があるか」や「将来の転職を見据えて、今、何を意識すべきか」などのご相談や、定期的なキャリア診断も大歓迎です。すぐに転職を考えていない場合も、何か気になることがあれば気軽に面談をご依頼ください。
(2024年2月20日)