Vol.60

挑むのは、最高難度の産業変革テーマ。イノベーション創出に挑む、AI×コンサル最強チーム。

株式会社Laboro.AI

代表取締役CEO椎橋徹夫氏

プリンシパル・ソリューションデザイナ藤井謙太郎氏

インタビュアー 入江・永田

オーダーメイドのAIソリューション『カスタムAI』を開発し、企業のAI導入を支援するLaboro.AI。テクノロジーとビジネスをつなぐパートナーとして、あらゆる産業ビジネスでのイノベーション創出支援を使命とする、数あるAIスタートアップ企業の中でも際立った存在だ。同社を創業した代表取締役CEOの椎橋徹夫氏と、プリンシパル・ソリューションデザイナの藤井謙太郎氏に、同社ならではの仕事の醍醐味についてお話を伺った。

Message

産業を変える方法論を見つけたいというパッションから、Laboro.AIは誕生した。

入江
まず初めに、椎橋さんからこれまでのご経歴をお話いただけますか?
椎橋
大学ではサイエンスを勉強していて研究の道に進もうとも考えていましたが、物質がどうなっているのかよりも経済や社会のリアルで複雑な問題にサイエンスの切り口から取り組む方に興味が生まれ、一度ビジネスの現場に飛び込んだ方が良いと考え、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に入社しました。ヘルスケアや小売業界向けのデータ解析など、7年ほどビジネス変革に関わる戦略系プロジェクトに携わりました。

ですが、最先端技術の実装など、テクノロジーをビジネスに活用するのはコンサルファームでは限界があると感じました。そして、技術の最前線を走るアカデミアの人達にはどんな世界が見えているのかを知りたいという思いから、東京大学の松尾豊研究室に参画し、最先端の機械学習やデータサイエンスの技術を活用した企業の価値創出に取り組みました。

その後、松尾研究室から誕生したAIスタートアップの創業者がBCG時代の同期だったこともあって自身も立ち上げに携わり、技術をプロダクト化していく経験を経てLaboro.AIを創業しました。
入江
ありがとうございます。続いて、藤井さんもこれまでのご経歴を教えてください。
藤井
私はソリューションデザイナという役職者がまだ殆どいない頃に当社に入り、現在3年目になります。元々は、富士通でERPの導入や基幹システム開発を経てから、PwCコンサルティングでITコンサルティングに携わった後、金融業界向けに経営管理系のコンサルティングを行っていました。

AIに興味を持ったきっかけは、PwC在籍時、会計系のデータを分析していた中でデータの価値や重要性が今後更に高まると感じていたので、「次はデータを活用したビジネスモデルを持つ企業に入りたい」と考えていました。

今でもよく覚えていますが、当社の選考を受けた時に椎橋が第4次産業革命や日本のメーカーの可能性について30分くらい熱く語っていて(笑)。椎橋の話を聞いて「これは簡単ではないけれど、チャレンジするのは面白そうだ」と感じました。何より産業を変えていこうという情熱が他社とは違うなと。

多くのベンチャーやコンサルファームは短期的な利益を追求するものだと思いますが、椎橋は本気で長期的なイノベーションを目指しているのが魅力的でしたね。
入江
そうだったのですね。椎橋さんが創業された経緯もぜひお聞かせください。
椎橋
先ほどお話した3ステップのキャリアを経験して、再現性を持った形で普遍的なイノベーションを興すにはどうしたら良いか、産業を変える方法論を見つけたいと思いました。

BCGは大企業の経営レイヤーを変え、アカデミアは最先端のテクノロジーを活用して産学連携の活路を探索し、AIスタートアップはプロダクトをビジネスの現場に導入する。いずれも重要なピースである一方で、イノベーションを興すためにはまだ足りないピースがあります。

というのも、戦略ファームでは技術の実装ができず、短期で結果が出る領域に限られるのでイノベーションからは離れてしまう。アカデミアは最終的に目指す成果が学術論文なので、産業や企業を変えることとはインセンティブが異なり、構造的にやりにくい。AIスタートアップはサプライヤーを目指していたため、トップレイヤーから企業に深く入り込んで企業を変える視点は薄くなりがちでした。

そこで、各々の良いところを最適化した形で必要なピースを揃えたチームができれば、最も再現性のある形で産業を変えていく強い力を持つ組織になるのではと考えました。当社のソリューションデザイナというポジションはまさにその役割を体現する新しいプロフェッショナル職として創ったものなのです。

転職・キャリア支援を申し込む

製品開発・事業開発に深く関わりビジネスモデル変革まで踏み込めるのは、当社ならでは。

入江
他のプレーヤーと比較した際の、貴社の強みをお聞かせください。
椎橋
他のAIベンチャーとの違いは、単にプロダクトやテクノロジーの供給だけではなく、ビジネスデザインまで踏み込む点です。AIをどう使うとクライアントやパートナー企業が変革できるかというところまで、一緒に描いていく。我々は「テクノロジーとプロフェッショナルサービスのハイブリッド」とよく言っていますが、イノベーションを支援するプロフェッショナルがいるのが端的な違いです。

また、トップレイヤーから入っていく点も当社の特徴として挙げられます。それから、コンサルファームも最近デジタル部隊が技術の実装までやるという話ですが、当社はAIにフォーカスしているのでAIに関しては実装できる深さが違う。他のデジタル技術と異なり、機械学習はデータが無いとそもそもアルゴリズムもつくれないので、どこから必要なデータを集めてきてどうAIをつくるのか、データの設計から一段深く踏み込まないといけない。

我々はAIに領域を絞ることで、実装する力や、どのぐらい現実的にできそうかという感覚の精度がコンサルファームとはかなり違うと思います。何よりアカデミックなレベルで高い優秀なエンジニアが揃っているのは当社の大きな強みです。
入江
事業を変える、企業を変えるという貴社ならではの具体的な事例を教えてください。
藤井
半導体製造装置のメーカーの事例ですが、通常、クライアントの立場からすると核心技術に関わるともなれば多数の企業と一緒に推進することが難しく、我々のようなパートナー企業を絞りたがる傾向があります。

また、とくに日本のメーカーは世界に誇る技術を持っていることから、技術が明るくない相手とは一緒に仕事をしないことが普通です。とは言え、自社の商品を差別化していくための新しい取り組みが必要な際には、一緒に研究開発をし、かつ技術理解をもとに一緒に議論をしてくれる外部パートナーが必要であることも事実です。その点で、当社のような存在はかなり貴重だと評価いただいています。


椎橋
当社のプロジェクトは主に3つに分類できます。1つはオペレーション効率化等の業務改善系のプロジェクトです。この種のプロジェクトは、他のAIベンチャーやコンサルファームでも同様に扱っており、残りの2つが当社のユニークな点かと思います。

2つ目は製品開発をクライアント企業と一緒に行うプロジェクトです。例えば機械系メーカーの制御ソフトウェアにAIを組み込むといったもので、材料の品質にバラツキがあるために不良品が出てしまう問題を、AIにそれぞれの状態を認識させ適切な加工方法を自律的に導き出すといったものです。多くのAIの事例は、不良品を検知するレベルで留まっていますが、自律的に制御すると言った製品開発は容易に実現できず長期的に取り組むケースが多いため、コンサルファームではほぼ扱っていないと思います。

3つ目は事業開発・サービス開発のプロジェクトです。モーターの制御ユニットメーカーの例ですが、これらのメーカーは従来の業界構造だと下請け的な立ち位置でしたが、AIを製品に組み込み、定常的にデータ取得できる環境を作れば、この制御ユニットが入っている機械はいつ故障しそうかという予測情報を把握してメンテナンスサービスを展開できるようになります。すると、部品を提供する立場からお客様の機械メンテナンスサービスを握る存在になるので、モノ売りからサービスを売る方へと業態が変わり、業界内の立ち位置も変わります。これらは、まだ始まったばかりのチャレンジですが、故障予測のモジュールをつくるだけではなく、共にビジネスモデルを変えていこうとしているところです。
入江
貴社の目指す世界観についてもお聞きしたいのですが、どんな会社にしたいですか?
椎橋
世の中で最高難易度ながら解けるとインパクトが大きい問題が、イノベーションを再現性のある形で普遍的に興すやり方を見つけることだと思います。1つの産業だけを変えられても普遍的な解にはなっておらず、幅広い業界で新しい技術を使って産業のあり方を変えていきたい。今後は業界の垣根自体も変わってくる中で、イノベーションの本質とは何なのか。イノベーションを起こすための要因を解き明かして再現できる組織を目指したいですね。
藤井
今後は、AIがもっと身近になると思います。医療データがあれば食事の内容が変わるとか、行動データがあれば旅行先が変わるというように、今後のデータ活用によって人の生活も変わってくるはずです。AIをコアエンジンとしてデータの活用範囲を広げていき、人の生活を変えていく、更には社会課題を解決していく。

AIでしかできないこうした未来を、強い信念を持った国内企業の方々と共につくっていくためには、各業界だけに閉じた形では難しいでしょうし、長期的な目線で進めていく必要があります。私個人の信念として、人のことは人だけでは理解できないと思っていて、実際、人が深層心理で考えていることを言語化することはできません。人の足跡たるデータを解釈し活用していく上で、AIは大きな可能性を秘めた技術なのです。


転職・キャリア支援を申し込む

高みを目指す未完成な組織だからこそ、新たなキャリアラダーを共に創っていける。

入江
どのような志向の方が貴社にフィットしそうですか?
椎橋
世の中には、答えがどこか外にあると思っていて誰かに聞いたり探したりする人と、答えなど誰も持っていないから自分で考えて生み出そうとする人の2種類がいると考えています。自分で答えを出すことが好きな人は、当社にフィットすると思います。

困難なテーマに取り組むことは常に知らない新しい問題にぶち当たるということなので、経験が無いから無理だと思わずに面白がって勉強して答えを出す方が良いのかなと思います。
藤井
大学での研究や企業での事業企画などで、技術ベースで試行錯誤をした経験があり、限界があると感じてコンサルティングサイドに飛び出したものの、そこにも難しさを感じているという方は、当社で得られるものが多いと思います。
永田
案件獲得などにも、長期でイノベーションを興す姿勢は影響するのでしょうか?
椎橋
私たちのプロジェクトのすべてが10年後のロードマップを引いているわけではないですが、常に意識しているのは3ヶ月~半年で終わりではなく、数年先を見据え、そこにつながる一歩としてやるということです。

まだまだ完璧ではなく未熟な面もありますが、AIという技術で長期的にその会社がどう変わっていくのかというアプローチで進めています。
藤井
当社のソリューションデザイナのマネージャー陣には、「何がしたい?」と必ず聞くようにしていて、会社から何かを押し付けるのではなく、各自やりたいことを持ち、そのために何をするのか考えて欲しいと伝えています。

私自身、お客様と年間数百件と話しをさせていただく中で生まれる「こういうニーズがあるのか」「これをやったら面白いな」というテーマを持ち続けていて、そういう案件の機会がきたら逃さず掴み取るようにしています。
入江
貴社でキャリアを積む魅力について、あらためてお聞かせください。
藤井
まだ所帯が小さいので経営層と近く、CEOの椎橋やCTOの藤原と議論する機会も当然ありますし、何か行き詰った時には壁打ちにも付き合ってくれます。エンジニア陣も技術提供を惜しまないので、やりたいことがあって自ら取りに行く意思を持つ方なら、恵まれた環境だと感じていただけるはずです。
椎橋
高い目標を掲げている一方、まだまだ未完成な組織でもあるので、そのギャップをチャンスと捉えられる方には理想的な環境だと思っています。カオスな環境の中で自ら創っていくことも必要です。日々私たちと一緒に試行錯誤していくことになるので、未完成さもポジティブと捉えられる方にとっては面白いと思います。
藤井
良いところとして、一般的にコンサルタントの場合、クライアントの方が圧倒的に業務に精通しているのが普通ですが、当社ではクライアントからAIの専門家として見られるので、事例も含めてよく知っているなと思われると役員層の方々とも対等に話ができるのは、やりがいにつながりますね。
椎橋
たしかにそうですね。コンサル時代は武器が無い状態で戦っていた感覚でしたが、今はAIという専門軸が立った技術のエキスパートとして、クライアント業務に対して分からないことがあってもストレートに何でも聞けますし、深く企業に入っていける点は醍醐味としてあるかと思います。
入江
最後に、現在コンサルとして活躍している方向けにキャリアのアドバイスをぜひお願いします。
藤井
本気でイノベーションを興すという観点では、コンサルファームにおられる方は現時点で立派な素地を持っておられるはずです。ですが、私自身の経験も踏まえると、技術に軸足を置きつつイノベーションに挑戦できる機会は、実際のところ多くはありません。

当社のようなAIベンチャーはコンサル経験が活かせてイノベーション創出にも関わることができる、非常に貴重な環境だと思います。

椎橋
既存のキャリアラダーを登るだけで本当に良いのか、ぜひご自身に問い掛けてみてください。

目指すキャリアの方向性として、事業会社でも、既存のプロフェッショナルファームでも、プロダクトを創るベンチャーでもなく、イノベーションを興す普遍的な力を身に着けたプロフェッショナルという新しいキャリアラダーを登っていくことにパッションを持てる方がいらっしゃれば、ぜひ当社にジョインいただければと思います。

構成:神田 昭子
撮影:櫻井 健司

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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