Vol.66

A.T. カーニーが変革を興すための存在でありたい。毎回ゼロベースで議論することを楽しめる人にとっては、一般解ではなくクライアント固有の解が求められる消費財・流通小売プラクティスは最高に刺激的で面白い環境だと思う。

A.T. カーニー株式会社

シニアパートナー小林洋平氏

マネージャー中川健太氏

公開日:2022.10.24

インタビュアー 山本

消費財・流通小売業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化し続け、あらゆる場面で激しい競争が繰り広げられる中、世界中のトップ企業の課題への取り組みを支援し、企業の利益成長の維持に積極的に適応する支援を行っているA.T. カーニー株式会社。同社の消費財・流通小売プラクティスの特徴について、シニアパートナーの小林洋平氏と、マネージャーの中川健太氏のお二方にお話を伺った。

Message

自由度の高さと刺激的な仕事、絶対ご支援したいお客様の存在。それが現職を続ける理由。

山本
初めに、小林さんと中川さんのご経歴について教えてください。
小林
私は2007年に新卒でKEARNEYに入社しました。7年ほどの期間は消費財メーカー・小売に限らず通信・メディア・商社・金融・自動車・エネルギー・教育など幅広い領域のクライアント企業のプロジェクトを経験しました。

消費財・流通小売プラクティスに自身の興味関心が定まって以降は、約8年間基本的にこの領域でトップラインに関わる経営戦略(全社中期経営計画・事業戦略・ブランド戦略・営業戦略・新規事業開発)プロジェクトを中心に、現在シニアパートナーとして務めております。
中川
私は2018年7月にKEARNEYへ入社しました。元々高校の頃からコーヒーが好きで、大学生の時に友人とお店を経営したり、アフリカの農園を見て回ったりした体験から、消費者や生活者の行動を洞察し、その行動を変革していくことに関わることが刺激的で楽しいなと感じて戦略ファームを志向した次第です。

入社後はヘルスケア、エネルギー、通信など小売とは別業界のプロジェクトも経験しましたが、最終的には消費財小売がやはり面白いなと感じて、現在マネージャーを務めております。
山本
お二方とも新卒入社ということですが、人的流動性が高いと言われるこの業界で、A.T. カーニーにおられる理由は何でしょうか?
小林
私の同期は事業会社や他のコンサルティングファームに転職したり、起業したりとそれぞれの道で活躍しています。

私自身も他のコンサルティングファームに全く興味が無かったわけではないですが、なぜ現職で今の仕事を続けているかと言うと、大きくは2つの理由が挙げられます。

1つは、当社は自由な環境であることです。「こういう仕事をやりなさい」「こういうやり方をしなさい」と言われることが無い。

他のコンサルティングファームに行った大学時代の友人の話を聞いても、当社では自分で考えて自由に行動できるなと感じており、私の場合は自分の思う通りにやりたいという意思が強かったので、当社がベストかなと思っています。

もう1つは、日本を代表する大企業であるお客様と10年以上にわたり一緒に仕事をする中で、彼らが世界に冠たる大企業になるということをどうしてもご支援したいという思いが徐々に強くなってきているためです。

彼らとの仕事を自分がやり切ったと思えるところまで貫徹したいと思っています。また、戦略コンサルティングファームを続けている理由としては、圧倒的に知的好奇心ですね。

日々全く違うことが起こり、ルーティンが無く、新しい問題に頭を悩ませるということが面白く、特に消費財・小売流通の領域は変化が多様で激しいという特徴があるため、自分の関心が尽きることなく魅了され続けているというところがこの仕事を続けている所以かと感じます。
中川
2020年1月に関灘が代表に就任してから制度が更に充実してきて、より尖った自由を突き詰めやすい環境が進みつつあると思います。もちろん、当社で得たことを通じて本当に日本を変えていくリーダーになるのであれば、他社に転職や出向した後に再び当社に戻ってきても良いと思います。

ただ、自分としては今少しずつやれることが広がって楽しさが増してきている分、居心地が良いなという感覚ですね。

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情熱を持った人達が集う組織環境。個人の意向がプロジェクトアサインでも尊重される。

山本
貴社の自由度の高さを実現している仕組みやカルチャーについて、具体的なものをお聞かせください。
小林
当社ではプロジェクトアサインについて公募制を採用しており、毎週逆ドラフトのような形で翌々週までに始まる案件リストを開示して、参加したいプロジェクトへ挙手をすることができ、各コンサルタント個人のキャリアプランを尊重したアサインを行っています。

コンサルティングファームの経営上、どのプロジェクトに誰をアサインするのかは最も大事な経営判断の1つだと思いますし、当社が個人の意向や自由意志にコミットしていることの表れかと思います。

もう1つは、出向制度です。こちらも挙手制となっており、入社1年以上の方が対象となっています。約月1回のペースでこういう出向先でこういう経験が積める機会があるという情報を公募制でマネージャー以下のコンサルタントに開示しています。

彼らに抜けられるとその分売上が下がり、組成できるプロジェクトが減るという実情もあります。しかし、中長期的に考えると、私のようにコンサル一辺倒のキャリアよりも、その間にスタートアップ等での多様な経験がある方が、結果的には本人のためにも当社のためにも日本のためにも絶対良いだろうと信じているので、売上利益の追求ではなく出向を認めているということです。

自分たちの懐を痛める行動を率先して取ることで各自の自由意志を優先しているところは、当社の特徴の1つと言えるかと思います。
山本
それは目先の利益だけではなくて、長期で捉えているからということですか?
小林
コンサルファームが存在している目的を考えると、究極的には売上でも利益でもないと真面目に思っています。KEARNEYのコンサルタントは、どこに行っても引く手数多という少数精鋭の人達で成り立っている確信があります。

その人間が一番やりたいこととは何かと考えた時に、我々が売上利益の最大化や1,000~10,000人の組織になることに魅力を感じるかというと恐らくそうではないと思います。

当社に集まっている人達は、熱い想いを持っている人が多く、「折角生きて働くからには、本当にクライアントや日本を変えたい。その結果、世界が変わるような仕事をやり切って自分の生を全うしたい」と思う人達の集合体です。

KEARNEYが変革を興すための存在でありたい、KEARNEYですらその手段でありたいと考えています。当社が個人のキャリアパスを尊重した様々な仕組みを導入しているのは、売上が中長期的に最大化されるからではなく、世の中にインパクトを与える人材が生まれるキャリアパスは、きっとこういうパスだろうと信じているためです。
山本
他にも何か、エンゲージメントを高める仕組みのようなものはありますか?
中川
コンサルタントやバックオフィスを含めた、全社員がオンラインで参加するスタッフミーティングを隔月で実施しており、会社内の情報を共有するとともに、「最近入社された新しい仲間の紹介」「入社して数年経った人のナレッジ共有」「昇進するにあたってどんな壁があったか」等のパーソナルな話を共有する場もあります。

普段プロジェクトで一緒に関わっている人であっても、その人がどんなパーソナルなパッションを持っているのかを知るタイミングはなかなか無いので、一緒に仕事をしている仲間がこんなことを感じていたのかと気づく機会にもなり、とても大事な時間だと感じます。

また、会議チャットにて「こういうことがやりたいなら、こんなことをしてみれると良いよ」等、シニアやジュニアがタイトルの垣根無く、気軽にコメントをしているのがとても好きなんですよね。

その空気感に触れる度に、フラットな良い会社だなと思います。また、全社的に尖った個性をもっている人や、何かに情熱を持った人が多く、同じように個性的な人が好きな人達が当社には多いのだと思います(笑)。
山本
コンサル業界の方は個人主義な方も多いという印象があるのですが、貴社は非常に素敵なカルチャーですね。
小林
当社には、人間味に溢れた人が多いですね。関灘が代表に就任して以降、自己開示する場を増やしています。

スタッフミーティングに加えてメンター/メンティーデイも設けており、「自分が将来どういうことを目指しているのか」「自分は今Well-beingな状態にあるのか」等、小グループに分かれてお互い自己開示するということを実施しています。

自分の中で意思を持つだけでは実現が難しい場合でも、そのWillが周囲の人達にも明らかになると、「じゃあこのプロジェクトにアサインしよう」「こういうことをやってみたら良いんじゃない?」と皆で紹介し合える効用もあります。

それから、体系的な仕組みとしてキャリアカルテを導入しています。コンサルタント全員が中長期的に2~3年で何を成し遂げたいかを記入したキャリアカルテを提出し、スタッフィングはキャリアカルテと今週の案件希望の両方を見ながらアサインメントを決定しています。

そうやって短期的な視点を超えて個人を尊重していることが、当社で働き続けたいと思われる要因かもしれません。

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クライアント固有の解を求めて、毎回ゼロベースで議論する醍醐味がここにはある。

山本
貴社の消費財・流通小売プラクティスの特徴について、お聞かせいただけますか?
小林
飲料・食品メーカーやトイレタリー、小売にアパレル、総合商社等、カバー範囲は広く、日本だけではなくグローバルのKEARNEYにとっても消費財小売プラクティスは大きなプラクティスの1つです。

また、クライアントの多くがリピーターです。我々は、日本を変え、世界を変えるために、本当に世界に飛び出して世界に冠たる大企業になれるポテンシャルのある大企業を重点的にご支援しており、第二のトヨタをどうやって消費財小売プラクティスから生み出していくのかということをテーマに据えています。

当社はコスト削減やオペレーション系の案件ばかりであると思われることがありますが、プロジェクトのタイプとしては、CEOアジェンダにこだわるということを継続しており、トップラインの戦略案件の数が圧倒的に多い状況です。

CEOの悩みに寄り添うテーマ設定を行うべく、「こういうことを知っているから」「典型的なサービスとしてはこういうものがある」というプロダクトアウトではなく、クライアント固有の解にこだわるということを真面目に行っているため、コンサルティングファームとしては効率が悪いのですが、毎回ゼロベースです。本当に答えが無い中で毎回そのクライアント固有の解は何かを真剣に考えていくというのが我々の特徴かと思います。

これは、今の組織規模だからできることとも言えます。1,000~10,000人規模の組織では、デジタルやITなど特定領域における専門家を抱える必要があるかと思いますが、我々は専門家部隊を意図的に抱えないことにより、クライアントが必要なことだけをやるということを追求しています。
山本
人組織の観点で、消費財・流通小売プラクティスの特徴としてはいかがでしょうか?
中川
商習慣や生活習慣などが国によって大きく異なり固有性が極めて高いことに加えて、生活者の話でもありデータも豊富に揃っているため、業界の専門的な知見がさほど無くても結構フラットに語れるという点が挙げられます。

そうなると、より「クライアント固有の課題が何か」を突き詰めて考え、誰でも見える生活者の動態から何か洞察を捻り出し、クライアントにとって本当に見るべき生活者のトレンドにフォーカスできる能力が非常に求められますが、一朝一夕に培えるものでもないので型化が極めて難しい領域だと思います。

私自身も、その能力を身に着けている関灘や小林とのフラットな議論を通じてその能力を培っていっている感覚があります。消費財・流通小売プラクティスでは「業界的には〇〇だから」「知見的には〇〇だから」という会話が生まれることは無く、その場その場の固有解を見つけるためのガチンコ勝負の議論を毎回繰り広げる側面が強いかと思います。
山本
最後に、どんな方にジョインいただきたいかぜひお聞かせください。
小林
「自分はこれをやりたい」という意思をお持ちの方、あるいは「世の中にインパクトを与えたい」「クライアントを変えたい」「日本や世界を変えたい」というような熱い想いを持った人間味のある方にぜひ当社へ来ていただきたいですね。

クライアントや上司から言われて何かを形にするということではなくて、フラットに議論することや今まで無かったものを新たに生み出す過程を楽しめる方にとっては、恐らく数ある日本のコンサルティングファームの中でも当社が一番刺激的で面白い環境と言えるのではないかと思います。


構成:神田 昭子
撮影:波多野 匠

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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