なぜ官僚を辞めたのか?そしてコンサルタントとして目指すものは何か? なぜ官僚を辞めたのか?そしてコンサルタントとして目指すものは何か?

Vol.04

なぜ官僚を辞めたのか?そしてコンサルタントとして目指すものは何か?

株式会社コーポレイトディレクション

パートナー長尾 行造氏

日本をベースとする独立系経営戦略コンサルティング会社、コーポレイトディレクション(CDI)パートナーの長尾行造氏は、もともと経済産業省で産学連携や石油政策に携わってきた人物である。官僚の世界からコンサルティングファームに転職し、パートナーに昇進するまでには何を考え、どのようにキャリアを切り拓いてきたのだろうか。
官僚の世界からコンサルティングファームへ
入江
長尾さんは経済産業省からコンサルタントの世界へキャリアチェンジしたご経歴をお持ちですが、経産省ではどのようなお仕事をされていたのですか。
長尾
最初は工業技術院(現経済産業省産業技術環境局)に配属され、産学連携の制度改正に一年半携わった後、資源エネルギー庁の石油部開発課(現同庁資源・燃料部石油・天然ガス課)で中東における石油権益に関する政府間交渉のサポートや、石油公団という特殊法人の建て直しなどを担当していました。
入江
官僚時代のお仕事をもう少し詳しく聞かせて頂いても宜しいでしょうか。
長尾
官僚にはレギュラーな動きとイレギュラーな動きの二つがあって、レギュラーの仕事は大きく三つに分けられます。一つ目は法律改正。二つ目は予算で、要は財務省との交渉。三つ目は国会対応です。工業技術院ではレギュラーな仕事が多かったのですが、石油部開発課ではそれらに加えてイレギュラーな仕事が乗っかってきました。たとえば産油国へ石油権益を求める一方、そのかわりにODAや国際協力銀行の融資を使ってさまざまなプロジェクトを提案するという仕事がありました。しかし中東の人との交渉はなかなか大変で、ビックリするかもしれませんが、半年かけて密に議論し一週間後に合意する算段ができたところで突然「アラーのお告げだ。今までの話はなかったことにしてくれ」と本当に言われたりするんです。文化の異なる人たちと交渉する難しさをそこで初めて体験しました。また、石油公団には税金を使って掘削しても石油が出てこない失敗プロジェクトがいくつかあったのですが、国としては投資したものがロスするわけですから、損失処理しなければいけません。そこにはさまざまな利害関係者がいるのでその調整を図ったり、国会から叩かれたりもするので根回しや理論武装をしたり。これは役人というより会社のリストラに限りなく近い仕事でした。
入江
国家の重要なお仕事を担当していた長尾さんがコンサルティングファームへ転職しようと考えたきっかけは何ですか。
長尾
一つは役所という組織に対する将来性が段々見えなくなってきたことです。役人叩きがだんだんひどくなり、何をやっても評価されない物足りなさ感がありましたし、官庁のいわゆる「偉い人」と話してもあまり魅力を感じず「将来、こういうおじさんにはなりたくない」とも思いました。天下りもどんどんなくなっていました。天下りとは自分の身を組織に委ねることで将来の面倒をみてもらえるというあり方ですが、もはや将来を組織に委ねることはできない状況になってきたわけです。ならば、組織に頼らず将来のリスクを自分で背負って戦っていける人間になりたい。そう思ったのが役所を飛び出すきっかけになりました。
なぜコンサルタントだったかというと、役所で働いていると日本というものを強く意識するんです。経産省で産業政策に携わるなかで、やはり企業の強さによって日本という国は成り立っていると実感しました。しかし今の霞が関の世界は内向きで、企業を強くするよりも自分たちの権益を守るような動きのほうが多く、それが私のストレスにもなっていました。だったら役所を飛び出して、日本企業を強くする仕事で自分のバリューを発揮したい。それを達成するにはコンサルタントが一番近いと考えました。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

この企業を指名して転職支援を申し込む この企業を指名して転職支援を申し込む
interview backnumber
バックナンバーを選択してください