経営者を志すコンサルタントが意識すべきこと。それは、日々の仕事の中で思考力を鍛え、早いうちにキャッシュの重みを感じる経験を積むことだ。 経営者を志すコンサルタントが意識すべきこと。それは、日々の仕事の中で思考力を鍛え、早いうちにキャッシュの重みを感じる経験を積むことだ。

Vol.24 後編

経営者を志すコンサルタントが意識すべきこと。

株式会社JVCケンウッド

代表取締役 兼 執行役員副社長 兼 CSO 兼 メディアサービス分野COO 兼 企業戦略統括部長田村 誠一氏

アクセンチュアでの戦略コンサルタントを経て、企業再生支援機構でマネージング・ディレクターとして実績を上げ、現在JVCケンウッドの取締役を務めている田村誠一氏。経営者を志向するコンサルタントの方々にとっては、たいへん参考になるキャリアに違いない。田村氏に、コンサルタントから経営者に転身する上で求められることについてうかがった。
ファームでのパートナー経験は、必ずしも事業会社で役立つわけではない。
入江
さきほど、田村さんはコンサルタント時代に人一倍努力されたとのことですが、具体的にはどのように毎日を過ごされていたのですか。
田村
とにかくインプットは誰よりも多くしようと努めていました。アクセンチュアに在籍した18年ほどですが、その間で6000冊は本を読みましたね。絶えず自分の中に新たな知見をインプットしていかないと、よほどの天才ではない限り、際立ったアウトプットを出すことはできない。私の場合、目の前の仕事に関係する、しないに関わらず、興味を持ったテーマの本は片っ端から読みました。そうしてインプットを続けていくと、雑多な情報もどこかでつながって自分の付加価値の源泉になっていくんです。
入江
ほぼ一日一冊のペースですか……コンサルタントという仕事はただでさえ忙しいのに、この勢いで本を読まれていたというのは驚きです。これほどまでに努力をされたのは、何がご自身の原動力になっていたのでしょうか。
田村
「不安」でしょうか。もはや情報のアービトラージだけでコンサルタントがお金を稼げる時代ではない。独自の付加価値のあるアウトプット出し続けなければ、すぐに淘汰されてしまう。たとえば3か月後にクライアント企業の役員へプレゼンする機会が控えていたとして、この3か月間は誰よりもクライアントの課題解決について考え抜いたという確信が持てなければ、不安でプレゼンになど臨めない。クライアントに「私もそう思うんですよ」と言われることは決して誇らしいことではなく、自分の存在価値を一瞬にして否定されたことになるわけですから……逆に、クライアントから「これは思いつかなかった、なるほど面白いね」と認めていただければ、これ以上気持ちが昂ぶる瞬間はない。それを味わいたくて必死で努力していたという感じでしょうか。ビジネスの世界に限らず、プロフェッショナルはみな、「不安」を克服するために誰よりも努力するのだと思います。
入江
そうした努力を重ねられていたからこそ、パートナーまでスピード昇進されたのですね。そして、田村さんはファームのパートナーから経営者に転身されたわけですが、同じように「コンサルタントから経営者へ」という志向を持つ方々のなかには、ファームを辞めるタイミングに悩まれる人も結構いらっしゃいます。田村さんは、パートナーまで務めたことがいま役立っているとお考えですか?
田村
パートナーまでキャリアアップして損はないと思う点は、やはりこのポジションに就いて初めて、さまざまな企業のトップマネジメントと対峙できるんですね。マネージャークラスだと自分が担当するプロジェクトを完遂するのに精一杯ですが、パートナーになると見える世界が全然違う。プロフェショナルファーム業界全体を俯瞰して、いま我々に求められている付加価値は何かということを理解できますし、視野が一気に広がります。ただ、プロフェッショナルファーム業界に骨を埋めようという方はもちろんパートナーを目指すべきだと思いますが、事業会社の経営に携わりたいという志向の方は、必ずしもそうでなくてもいいんじゃないかと……。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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