エンジニアから戦略コンサルタントへ。経営を変えていくプロセスを顧客と「楽しむ」日々。

エンジニアから戦略コンサルタントへ。経営を変えていくプロセスを顧客と「楽しむ」日々。

Vol.25

エンジニアから戦略コンサルタントへ。経営を変えていくプロセスを顧客と「楽しむ」日々。

PwCコンサルティング合同会社(Strategy&)

Director吉田 泰博氏

大学卒業後、起業してシステムの受託開発事業を営んでいたという吉田氏。当時抱いていた問題意識を解決できるポジションを求めて、また自らのさらなる成長を期して、戦略コンサルタントに転身したという。そんな吉田氏に、未経験からこの業界に飛び込み、コンサルタントとしてのスタイルを確立するまでの実体験をうかがった。

Contents

自分が抱えていた問題意識に、このファームが目指す方向性が一致した。

入江
コンサルタントになる前の経歴を教えていただけますか。
吉田
私は東京大学の理学部を卒業後、学生時代に情報工学を専攻していたこともあって、起業してソフトウェアの受託開発を手がける会社を興しました。実質的に社員は私一人でしたが、自分で案件を獲ってきては仕様を書き、プログラムを作って納めるという一連のシステム開発業務を10年弱手がけていました。ですから、私のバックボーンはITエンジニアなんですよ。
入江
そうしてシステム開発でキャリアを積まれていた吉田さんが、コンサルタントに転身されたのはどのような経緯からですか。
吉田
私がこちらに入社したのは2007年ですが、当時、まだブーズ・アンド・カンパニーが独立する前のブーズ・アレン・ハミルトンで、戦略コンサルティングのなかでIT領域を強化していこうという動きがあり、そのための人材を募るITセミナーに参加したのがきっかけです。私としては転職を意識していたわけではなく、単純にいまのITのトレンドを知りたいという思いからセミナーに出席したのですが、話を聞くうちにとても興味を覚えて……なぜ戦略コンサルティング会社がIT領域に関わる必要があるのかというテーマでしたが、システムありきのコンサルティングではく、中立的な立場でのITコンサルティングが求められているという話に非常に共感したのです。私自身も、お客様の要望に応じてシステムを作ったものの、それが実際には半分も使われていないという現実によく直面していました。そもそも本当にシステムが必要だったのか? 本当にあるべきシステムは何だったのか? そうした本質からもっと考えていくべきではないかという問題意識を私も持っていたのです。
入江
吉田さんが本当にやりたいと思っていたことが、ここなら実現できそうだとお感じになられたのですね。
吉田
ええ、自分が抱いていた問題意識を解決できそうだと思ったことが大きな理由ですが、もうひとつ、ここでお会いしたコンサルタントがみなさん魅力的な方で、一緒に仕事ができれば、知的な刺激を大いに受けて成長できそうだと感じたことも、こちらに参画しようと決めた要因でした。あと、私自身は飽きっぽい性格なので、さまざまな業界のお客様に、さまざまなテーマで関われるコンサルタントの仕事が魅力的に映りました。
入江
入社後はどのような案件に関わってこられたのですか。
吉田
当初は飲料会社のマーケティング戦略立案や、大手化学メーカーの海外市場戦略などのプロジェクトに関わりました。私のバックボーンはITでしたが、そもそも当社は戦略ファームなので、ITと関係ない案件も当然手がけていかなければなりません。私にとってはまったく未知の領域でしたので、当初はかなり苦労しましたね。その後、1年目の終わり頃、大手金融機関のオペレーションを刷新する全社的な改革プロジェクトを当社が担うことになり、そのPMOを務める機会を得ました。さまざまなシステムを再構築する巨大なプロジェクトであり、最適なオペレーションを実現するためにどんなシステムが必要なのかを、本質から考えてITベンダーを指揮していくことが我々のミッション。そこで初めて、以前培ってきたITの知見を活かし、まさに自分がやりたかったテーマに取り組むことができ、私にとってのブレイクスルーになりました。以降、こうした金融機関のオペレーション改善は私の得意なテーマとなり、また、個人的に面白いと感じていた製造業の海外戦略立案も数多く手がけ、この2つがいまの私の専門領域になっています。

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未経験からの転身で、当初は苦労の連続。しかし、一気に視界が広がる瞬間が。

入江
ITエンジニアから戦略コンサルタントへ転身された当初はご苦労されたとのことですが、具体的には何が大変でしたか。
吉田
コンサルティングはまったくの未経験でしたから、入社時に研修は受けたものの、いざプロジェクトに入るととまどうばかりでした。私はアソシエイトのポジションで入社したので、最初はリサーチから始まるわけですが、マネージャーからたとえば「インドネシアの自動車市場について調べてスライドにまとめておいて」と依頼されても、何をどう分析してまとめればいいのかわからない。幸いにも、うちのファームは人柄が良い連中ばかりなので、年下の若手のコンサルタントに「どうすればいいの?」と聞くとみな親切に教えてくれて、何とか業務を進めていきました。でもマネージャーに見せると、「軸がない」「分析が薄い」と指摘されては、またやり直すという繰り返し。そこから少しずつ学んでいったという感じですね。
入江
やはり、異業種からコンサルティング業界に移られてこられた方は、最初、コンサルタントの仕事のやり方にとまどうケースが多いようです。
吉田
よく「コンサルタントの仕事は仮説を立てて検証していくことだ」とか、「コンサルタントはクライアントの経営に対してメッセージを出せ」などと言われますが、正直、最初の頃はそれが意味するところをまったく理解できませんでした。しかし1カ月ぐらい経った頃、新しいマネージャーが私の上につくことになり、作ったスライドを丁寧に添削してくださって、その時に大きな気づきがあったんです。私が作ったスライドは、リサーチ対象の市場の伸びをただグラフ化したもので、『今後も右肩上がりでの伸びが予想される』などというありきたりなコメントしか記せなかった。それを見てマネージャーは「ここでグラフの伸び方が変わっているよね? なぜだと思う?」と私に問いかけてきたのです。そこは私も気になっていたところで、自分の考えを述べると「それを書けばいいんだよ」と。つまり、自分が疑問に思うことは、当然、クライアントの経営層も疑問に思うこと。そこに対する自分の見解が「仮説」であり、それを検証することが「メッセージ」になるのだと気づき、一気に目の前が明るくなりました。当初は大変だったものの、辛いとは思いませんでしたね。むしろ、新たな知見を得て楽しいと感じることのほうが多かったです。
入江
吉田さんもそうおっしゃられていましたが、「成長できそうだ」という理由からコンサルタントの仕事を選ぶ方がたくさんいらっしゃいます。ご自身はこれまで、どのように成長を実感されてこられましたか。
吉田
本当にさまざまな面で自分の成長を感じています。入社したばかりのアソシエイトの頃は、データ分析や資料の作り方などの表面的なスキルが伸びていく。その後、シニアアソシエイトになると、クライアントと直に折衝することになるのでコミュニケーション力が鍛えられました。そしてプリンシパルになってクライアントの経営層と接する機会が多くなると、こちらもおのずと経営的な視点で物事を捉える力がついていく。自分の視点が低いうちは、どうしても目の前の改善策を考えがちです。しかし視点が高くなると、この事業を一気に2倍に拡大できないかとか、あるいはこの事業を捨てる選択肢もあるのではないかとか、大胆に発想できるようになる。そして本質的なところでは、さまざまなコンサルティング案件を手がけることで「ロジックを厳密に組み立てて問題を解決していく」という力が本当に伸びているように感じますね。

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お客様から「楽しかった」と感謝される仕事など、きっと他にはない。

入江
吉田さんは、コンサルティングの仕事の醍醐味をどこにお感じになられているのでしょうか。
吉田
ひとことで言うと「変化がある」ことでしょうか。私としては、変化がない状態がいちばんつまらない。自分が関わったことで、クライアントが変わっていく。それを目の当たりにするのはやはり面白いですね。しかも、その変化を常に体感できるのがいい。ある業界のクライアントの経営テーマに関わった後、数か月後にはまた違う業界のクライアントの違うテーマに関われる。そうした変化にあふれた環境の中で、自分自身の能力も変化していく。それがコンサルタントの醍醐味ですね。そしてもうひとつ、クライアントから感謝される瞬間も、やはり自分の存在意義を大きく感じます。
入江
吉田さんがかつて手がけていらっしゃったシステム開発も、同じようにクライアントから感謝される機会は多かったと思います。コンサルタントは、また別の感覚が味わえるのでしょうか。
吉田
確かに、システム開発もお客様から「ありがとう」という感謝をいただくことはたくさんありました。しかし、コンサルタントはそれに加えてお客様から「面白かった」「楽しかった」という言葉をいただけるんですね。つまり、企業を変えていくプロセスをお客様もいっしょに楽しんでいただける。たとえば海外進出など、クライアントの経営にとってはきわめて重要なテーマであり、当然お客様も真剣です。そこに我々がクライアントの知らないマーケットを分析して提案すると、身を乗り出して議論してくださる。そうした瞬間は私も高揚します。
入江
クライアントから「楽しかった」という反応が返ってくることが、コンサルタントの醍醐味だという話をうかがったのは、吉田さんが初めてです。
吉田
まあ、我々コンサルタントはプロジェクトの最中は苦しんでいることが多いのですけれどもね(笑)。でも、高い壁のほうがクリアしがいはある。それはクライアントも同じ。難しい問題を解決していくプロセスをともに楽しみ、最後に達成感を共有できた時などは、やはりコンサルタント冥利に尽きますね。
入江
他の戦略ファームと比べて、御社の魅力はどこにあるとお考えですか?
吉田
チームワークがいいことだと思います。お互いに助け合うカルチャーがあり、困っていれば必ず誰かが支援してくれる。私も入社したばかりの頃、よく同僚の若手に助けてもらいました。おそらく、採用時にもチームワークを重んじる人材を選んでいるから、こうしたカルチャーが受け継がれているのだと思います。私も候補者の方々の面接にあたっていますが、その方の良いところを引き出していこうと努めています。先ほどお話しした「クライアントと経営革新のプロセスを楽しむ」のと同様に、候補者の方々とも面接のプロセスを楽しみたい。そこでお互いに理解しあって、当社のカルチャーに合う方をお迎えしたいですね。また、当社は規模が相対的に小さいので、上に対しても意見を主張しやすく、自分の考えたコンサルティングを仕掛けていける。早くから自分が「主人公」になって仕事ができるので、成長スピードも速いと思います。
入江
PwC(プライスウォーターハウスクーパース)のグループに入ったことも、御社の新たなアドバンテージになっているのでしょうか。
吉田
従来から当社は、あらゆる業界、あらゆるテーマのコンサルティングを広く展開していますが、グローバルに事業を繰り広げるPwCとコラボレーションすることでより質の高いサービスが提供できるようになりました。たとえば、これまで当社はアフリカ市場にはあまり精通していなかったのですが、PwCのネットワークを使えば必要なデータが入手できる。また、会計や税務などの専門家も豊富に抱えているので、彼らの知恵を借りれば、より実行性の高い戦略を立てることもできます。コンサルティングの幅がさらに広がりましたね。
入江
では最後に、コンサルタントを志す方々にメッセージをお願いします。
吉田
いまご自身が手がけている業務の中で、課題を解決して成果を上げたと自信を持って言える仕事を何か築き上げてほしいですね。コンサルティングの経営を変えるプロセスというのは、課題を見つけて解決することの連続です。たとえばそれは、自分の仕事の生産性を上げる取り組みのなかにも、同じようなエッセンスはある。そして課題を解決した経験は、自信にもつながる。その自信が、コンサルタントとしてぶつかる壁を乗り越えるのに、いちばん大切な要素だと思います。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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