Vol.61

キャリアプランを描いて前に進むということではなく、運とご縁に導かれて今の自分がある。アドバイザーの立場ではなく自ら新規事業を創りたいなら、高収益の安定感とベンチャー気質を併せ持つ当社は希少な環境と言える。

太陽ホールディングス株式会社

執行役員 経営企画室長富岡さやか氏

公開日:2021.07.26

インタビュアー 入江

ソルダーレジスト(基板などに使用される緑色の絶縁材)の世界シェアトップクラスを誇るリーディングカンパニーである、太陽ホールディングス株式会社。ソルダーレジストをはじめとする電子機器用部材事業(以下、電材事業)、医療・医薬品事業(以下、医薬事業)を主軸として、植物工場を稼働させる食糧事業、日本で13カ所の水上太陽光発電所を運営するエネルギー事業など新規事業にも意欲的に取り組み、グローバル総合化学企業を目指している。同社の執行役員 経営企画室長である、富岡さやか氏にこれまでのキャリアや同社の魅力についてお話を伺った。

Message

世の中には、まだ自分が見えていない色々な経営の仕組みがあることを知った。

入江
まず初めに、富岡さんのこれまでのご経歴を簡単にお聞かせいただけますか?
富岡
私は理系の大学を卒業後、元々は日系の銀行を志望していましたが、偶々先に選考を受けていたマッキンゼーでご縁があり入社しました。マッキンゼーには5年ほど在籍していて、入社時点では金融系の案件を希望していたもののなかなか回ってこず、ヘルスケアの案件に携わる機会が何度か続きました。

それまで全くヘルスケアに興味は無かったものの、実際にやってみるとこれが面白くて。私は医者でも看護師でも無いけれども、皆さんの健康に寄与できるというのが素晴らしいなと感じて、そこからはヘルスケア領域にのめり込んでいきました。

当時のマッキンゼーは新卒で入ると5年くらい経ったら一度外の世界を見てからまた戻ってきてもいいという環境があり、私はクライアントの事情が理解できるようになればもっと良いコンサルタントになれるなと思い、外資系の製薬会社をいくつか受けていたのですが…(笑)。
入江
一体、何があったのですか?
富岡
当時お世話になっていたヘッドハンターの方から、「製薬会社も良いけど、折角の機会だから他の企業も1社くらい受けてみたら?」と言われまして。「では、あなたが一番私に合うと思う企業を1社だけ提案してください」と言って、紹介されたのが経営共創基盤(以下、IGPI)です。

IGPIは創業2年目くらいの時期で、会社のことを何も知らないまま面接を受けに行ったら、「マッキンゼーとは明らかに違うけど何か凄い」と思える人たちと出会いました。私がいくらマッキンゼーでコンサル経験を積んで外資の製薬会社に行ったとしても、こういう人たちと仕事で互角に渡り合える気がしないと強烈に感じたのが第1印象で、この環境の方が学ぶことは多いかもしれないと感じてIGPIに転職しました。

製薬会社に入ろうと思って会社を辞めようと思ったのに、またしても思ってもいないところに行くことに(笑)。
入江
そうだったのですね。IGPIでのお仕事はいかがでしたか?
富岡
IGPIはコンサルだけではなく投資も積極的に行っていて、企業への投資に携われたのは貴重で面白い経験でしたね。コンサルファームから移ると、投資の世界って全然分からなくて。初期の頃にPEから転職してきた同じくらいの年の人と同じチームにアサインされて、その人の方が知識も豊富なので私よりもできることが多く、自分がこれまで知っていたことなど本当に少なかったと痛感しました。

当時はベンチャーに出向して、共同で会社を設立するところからスタートし、その後知財ファンドの資金調達や運営等の様々な経験を積むことで、「世の中にはまだ自分が見えていない色々な経営の仕組みがある」ということを学びました。

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売上500億で新規事業に200億を投じる本気度の違いと、ビジネスモデルの新規性。

入江
太陽ホールディングスとの出会いはどのような経緯だったのですか?
富岡
当時私はIGPIから出向していた先で、太陽ホールディングスと出会いました。ヘルスケア×新規事業ということで、太陽ファルマの仕事に携わっていたのですが、その後諸事情により一旦、太陽ファルマの支援から引き上げることになりました。

それでも、私としては太陽ファルマで太陽の新規事業である医薬事業をやりたかったので、太陽ファルマ代表の有馬さんに「入社させてください!」と言ったら「いいよ」と。それで、IGPIを辞めて当社に入社したという流れです。

こうして振り返ってみると、私のキャリアは真面目なコンサルタントの方には全く参考にならないのではないかと思いますが(笑)、本当に運とご縁だけで今の私があります。
入江
運とご縁は大事ですよね。とは言え、富岡さんのご経歴であれば多数の選択肢があったのではと思いますが、なぜ太陽ホールディングスへ転職を決められたのですか?
富岡
コンサルの仕事をしていると皆さんそうだと思いますが、確かにクライアントから自社に来ないかとお誘いをいただくこともあります。

その中でなぜ私が当社に決めたのかと言うと、当時売上500億円規模の企業が200億円以上も投じて医薬事業に参入するという腹の据わり方が本当に凄いと感じたからです。1兆円企業であれば誰も驚かないと思いますが、売上500億規模でやるのは本気度が違うなと。

また、医薬事業のビジネスモデルが新規性に溢れていて、通常は医薬事業に参入する場合、バイオベンチャーを買収するか製薬会社を買収するかのいずれかであることが多いのですが、自社で箱をつくってそこにライセンスを買ってくるという構想だったので、こういうことができる会社というのはかなり自由度が高く非常に面白そうだと思いました。

こういう思い切った意思決定ができるというのは、東証一部上場企業ながらベンチャー気質を感じますね。
入江
ご入社後は、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
富岡
初めは太陽ファルマに入って、これも当社の規模からすると大きな金額ですが、数百億円規模の工場買収となった、今の太陽ファルマテック高槻工場の買収案件を担当しました。2020年4月からは、経営企画室でグループ全体の中期経営計画策定、IR、財務、M&A関連を管掌しています。
入江
これまでのコンサルの経験が現職で活きているのはどんなところですか?
富岡
実務上ではIGPIでの経験の話になりますが、IGPIは「できる・できないはいいから、とにかくやってきて」というカルチャーです。IGPI代表の冨山さんは「田舎の駅長さんは一人で全部できるのだから、一人でやってきて」と言うのですが、「私、田舎の駅長さんじゃないですけど」と(笑)。誰を頼っても良いし、会社のリソースを使えば良いから、とにかくやってきてというスタイルでした。

M&Aや契約関連はIGPI時代に色々見る機会があったので、その経験も活かせています。とはいえ、一番役に立っているのは最初にマッキンゼーで先輩方が教えてくださった、コンプリートワークとかチームで働くとか、仕事と向き合う姿勢だと思います。

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高収益の安定感と、新規事業に楽しく取り組めるベンチャー気質を兼ね備えた稀有な環境。

入江
貴社にはどのような方がマッチするのでしょうか?
富岡
当社では新しいことをどんどんやるので、それに臆せず挑戦するタイプの方が良いですね。何か新たな事業領域の話が来た時に、「え、やったことないけど」と戸惑いながらも「ま、やってみるか!」とチャレンジできる方がいいと思います。

これは人によって向き不向きがあるので、現状維持がいいというタイプの方だと大変だと思います。「やったことないから面白そう」と思える方には、当社でやりがいのある環境を提供できると思いますね。
入江
入社後様々なことにチャレンジできるチャンスや、海外も含めたキャリアの広がりが幅広くありそうですね。
富岡
そうですね。プロパーでも中途入社であっても、本人のやる気と実力が伴っていれば、入社後の異動も含めて多様なチャレンジの機会があると思います。
入江
コンサル経験者の方の場合、どのような方が合うと思われますか?
富岡
ベンチャー的な風土があるとは言え、やはり東証一部上場企業なので、ある程度大きな組織の中での仕事の進め方を理解していることは必要かと思います。

また、「言われたことをきっちりやります」というタイプの方も、誰かがキャリアを考えてくれるわけではないので、自発的に考えて動けないとご本人が辛いかもしれません。

また、カルチャーフィットも重要です。いくら頭が良くて優秀な方でも、威圧的な態度をとる方や批判的なことを言うタイプの方は合わないと思います。当社のブランドステートメントの「楽しい世界は、楽しむ人がつくりだす。」を地で行くような、一緒に働きたいと思えるような楽しい方が良いですね。
入江
富岡さんが感じられる貴社で働く魅力はどんな点でしょうか?
富岡
自由でベンチャーのような環境で新規事業に取り組むことができる一方で、ソルダーレジストの収益が非常に安定しており、会社としての安心感があるのは大きいと思います。1,000人単位で、社員の家族も含めて社員旅行に行く会社なんてなかなか無いですよね(笑)。

社員だけでなくその家族にも優しい会社なので、子供たちと一緒に苺の苗付けに行くと、収穫時期に呼んでもらえて家族で苺狩りするというようなイベントもありました。社員食堂にも非常に力を入れていて、ごはんも美味しいです。こういう環境が楽しいと思う方には良いと思いますし、一方でそこは別に興味ないという方もいると思いますので、そこは合う・合わないがあるかなと。
入江
貴社の業績がそこまで安定している秘訣は何なのでしょうか?
富岡
やはりソルダーレジストが非常に良い製品であり、いわゆる教科書で出てくるようなグローバルニッチトップの製品です。現在、電材事業の売上が約500億円ですが、その主力製品であるソルダーレジストは市場シェアも高く安定しています。半導体のサイクルがあるので浮き沈みはあると思いますが、5Gや電気自動車、AIなどいろいろなテクノロジーが進化する中で、今後当面は追い風になると個人的には考えています。
入江
今後の貴社の方向性についても、可能な範囲でお話いただけますか?
富岡
基本的には電材事業と医薬事業が大きな柱であり引き続きこちらを強化していきます。

加えて、食糧事業やエネルギー事業などにも取り組んでおり、その他様々な新規事業も進めていきます。エネルギー事業については、現在国内13か所で水上太陽光発電を行っており、国内電材事業分の電力量をカバーしていますが、国内外で使っているエネルギーを将来的にカバーできるようになることを目指しています。

また、DXやスマートファクトリーに注力していく方針であり、システム会社を子会社にしています。
入江
最後に、この記事を読まれているコンサルタントの方にメッセージをお願いします。
富岡
当社の商材はBtoBであまり派手さは無く、一見どんな事業をやっているのか分かりづらいかもしれませんが、アドバイザーという立場ではなくて自分たちで新しい事業を創ることを志向する方にとっては、既に高い収益が出ている事業も多数ある安定した環境で、しかも日本企業で、グローバルでトップシェアをもつ製造業で、新規事業に取り組むことができる数少ない会社かと思います。

当社のような環境で楽しく事業開発がしたいという方がいらっしゃれば、ぜひご応募をお待ちしています。

構成:神田 昭子
撮影:櫻井 健司

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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