コンサルティングだけでは、世の中は変わらない。 世界の変革の起点となる「ターニングポイント」を創りたい。エッグフォワード株式会社 徳谷智史氏 金沢慎太郎氏

Vol.41

コンサルティングだけでは、世の中は変わらない。 世界の変革の起点となる「ターニングポイント」を創りたい。

エッグフォワード株式会社

代表取締役社長徳谷智史氏

マネージャー 兼 新規事業開発室 リーダー金沢慎太郎氏

公開日:2018.03.9

インタビュアー 入江

いま世の中が抱えている閉塞感を打ち破り、人や組織を変えることで世の中に新しい価値を創り出していく。そんなビジョンを掲げて、戦略コンサルタント出身の徳谷氏が創業したエッグフォワード。これから何を目指していくのか、これからこの会社に参画する意義とは何か。エッグフォワードを率いる徳谷氏と、そして同社の目指す方向に共感してメガベンチャーから転職し、新規事業開発も担う金沢氏に話をうかがった。

Message

コンサルティングを究めたいわけじゃない。退路を断って20代のうちに起業。

入江
徳谷さんは前職の戦略コンサルティングファームでマネージャーや海外責任者を務められた後にエッグフォワードを創業されましたが、そもそも新卒時にコンサルタントを志望されたのはどうしてですか。
徳谷
コンサルタントを志したのは大きく二つ理由がありました。ひとつは、もともと私は「人の可能性をどう最大化するか」というテーマに興味を持っていたこと。小さい頃の海外経験などで「人は環境や機会によって変わる」という想いが強くあって、世の中が閉塞感を抱えている現状に触れ、コンサルタントとしていろいろな企業の変革に携われば、その中にいる人、ひいては世の中の人を前向きに変革できるのではないかと考えたのです。2つめは、自分よりも圧倒的に凄いと思える人がたくさんいる環境に身を置きたいという思いがあったこと。そんな圧倒的な成長環境が手に入るのは、やはりコンサルティングファームだと考えました。しかも、当時入社したファームは、各々パートナー(役員)が自らの基準で一人だけ採用して育成するという、ちょっと特殊なシステムをとっていました。そんなシステムの中、私の師匠ともいうべきパートナーがいままでにお会いした中でも圧倒的に優秀な方で、この方と一緒に働きたい!と入社を決めました。
入江
コンサルタント時代は、どのような経験を積まれたのですか。
徳谷
戦略系を中心に企業再生から海外展開支援まで、さまざまな案件を手がけました。あまりにも真剣にやり過ぎて、クライアントの社長から、「お前は信用できるから、うちの娘と結婚しろ」といわれたこともありました(笑)。26歳の時にマネージャーに昇格し、翌年にはタイの海外オフィスを立ち上げて責任者も務め、そして29歳の時にこのエッグフォワードを創業しました。
入江
そのタイミングで徳谷さんが起業を決断されたのは、何か契機があったのでしょうか。
徳谷
私は「人を活性化し、世の中の閉塞感を打破する」ことを目指してコンサルタントになったわけですが、やはりコンサルティングワークだけでは世の中を変えていくのが難しいと感じたんですね。我々が関われるのは戦略に過ぎず、実際に企業の中の人を変革するところまではどうしても担えない。そして、私が社会に出てから日本は何も変わっていない。「このままでいいのか」という問題意識が沸々と湧きあがって……しかし、「いつかやろう」という気持ちだと、結局やらない。周りの仲間も優秀でしたし、待遇も悪くない、ある程度面白い仕事も多い。けれど、そういった逃げ道があると、そこに甘んじてしまう。だから退路を断ち、30歳までに起業しようと決心して、退職しました。ただ、ビジョンだけはあったものの、具体的にどんな事業を立ち上げるかの詳細は、辞めてから設計しようと。先輩方からは「何の戦略性もない」「コンサルで何を学んだんだ?」と言われましたが……(笑)。
入江
退路を断つというのは、なかなか普通の人にはできないこと。強い覚悟を持って起業されたのはとても素晴らしいと思います。ご自身の会社を立ち上げられた後、最初はどのようなビジネスからスタートされたのですか。
徳谷
自分が描いていたビジョンに沿って、当初はいろんなビジネスに取り組みました。BtoBでは、戦略だけではなく組織や人材と連動して企業を変革していくサービスに挑み、それはいまの主力の事業に繋がっています。またその他にも、世の中を変えていくために学校教育にも関与したいと考え、学校向けのカリキュラムを企画したり、BtoC向けのスクール事業や、世の中に影響力を持つ人たちが集い、互いに切磋琢磨できるようなコミュニティ事業なども立ち上げました。
入江
起業してみて、実際に何が大変でしたか。
徳谷
大変なことしかなかったですね(笑)。苦労したことはいろいろあるのですが、端的に言うと、自分が目指すものを貫くことへの葛藤です。「エッグフォワード」のエッグ(卵)というのは人の可能性の象徴です。それが花開いて前向きに成長していく機会をつくることで、まだ顕在化していない価値を創り、世の中を変えていきたいという想いを込めています。しかし、無形サービスというのはわかりにくい面もあって、なかなかすぐには理解してもらえなかった。やりたいことを貫こうとしても、事業として成立しない。起業して実感したのですが、特にBtoBのクライアントに対しては、我々のような新参のベンチャーが無形サービスで取引するのは難しい。今でこそリピート率は非常に高いですが、最初のころは実績がないと言う理由でどこからも門前払いでした。学校向けの支援にしても、学校側に予算がないので収益に繋がらず、BtoCのスクール事業なども、コンセプトをきちんと理解してもらえないと胡散臭く映ってしまう。完全に八方塞がりでしたね。
入江
起業された当初は、ご自身がやりたいことの事業化に苦労されていらっしゃったのですね。
徳谷
もともと分かっていて敢えてチャレンジしたのですが、想定以上にこうしたビジネスをベンチャーでやるのは構造的に厳しいとあらためて気づかされました。目先の売上が立たないので、自分の生活はともかくとしても、事業存続や仲間のために仕方がなくコンサルの分析の下請けでもやろうかと思ったこともあります。でもふと我に返り、それをやってしまうと何のために起業したのかわからなくなる。そう自分を戒め、下請けの仕事だけは絶対にやらないと、そんな矜持だけは持って事業に取り組んでいました。

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我々が築きたいのは、人と組織と企業が変わる、そんな新しい世界のインフラ。

入江
そんな中、事業が軌道に乗ったのには何かきっかけがあったのでしょうか。
徳谷
特に格好いいエピソードがあるわけではなく、地道に取り組んできたことが花開いたという感じでしょうか。ひとつひとつの案件を、他とはまったく違う高いレベルでやり抜く。たとえビジネスに繋がらないような相談事でも、あらゆる知見を駆使してきちんとお応えする。そうした努力が、時間を置いて効いてきたんですね。相談に応じて私が提供したソリューションで非常に成果が上がり、「エッグフォワードにトライアルでも相談したい」と我々を推してくれる企業の方も現れ、徐々に評判が広がっていきました。これまで水面下で積み上げてきたものが、表に出てくるまで結果的にとても時間がかかってしまいました。もっと効率的にできる方法はあったのかもしれませんが、起業してしばらくは、戦略というよりは、とにかく試行錯誤の連続でした。コンサルタント経験者としては恥ずかしい限りですが……。
入江
今では、大手コンサル、製造業、金融、サービス等、業種を問わず日本を代表する企業やトップベンチャーの改革に携わっているのがエッグフォワードだというイメージが広がりつつありますよね。
事業を立ち上げていく中で、逆にコンサルタントの経験が活きたことはありますか。
徳谷
こんなことを言うと申し訳ないのですが、コンサルティングと起業はまったくの別物ですね。コンサルティングは、クライアントが求める方向性に沿って物事を進めていく仕事。そもそも当事者ではなく第三者的にサポートする立場。一方、起業というのはまったく何もない状態で当事者として0から1を創る営みであり、必要とされる能力が違う。もちろん、前職での経験で役立っていることもあります。クライアントの要望を抽象化してそれに応える方法を設計できる力や、厳しい環境下で高度なアウトプットを出さなければならないプレッシャーに打ち克つ胆力、後は普段から経営層と接していたので、そうしたレイヤーの方々にも臆せず対峙して巻き込んでいく力は有益です。でも、それだけではない、自分たちが目指す世界に向けて突破していく力や、そこへの情熱、実現に向けた粘り強さが必要になると思います。ただ、もちろん、これからエッグフォワードに参画される方にとっては、コンサルで鍛えられる思考力や提案力等の基盤は、今後の事業を担っていく上でとても重要なスキルにはなると思っています。
入江
今後、徳谷さんはこのエッグフォワードを通じてどんなビジネスに挑み、どんな将来ビジョンを描いていらっしゃるのでしょうか。
徳谷
我々が目指している方向は、先にお話ししたように、いままで世の中になかった価値を創り出し、人の可能性を実現しあうように、世界を変えていきたいということ。具体的な事業としては、すでにBtoBの領域では、クライアント企業に向けて、事業から組織、そして人材まですべてを変革していくサービスを提供し、各業界のトップ企業ともお付き合いいただいています。しかし、個社ごとのサービスだけでは所詮、コンサルティングの延長にしかならない。我々としては、個社の変革にとどまらず、それを面で展開・連動させて世の中全体を変えていくという、もっと大きなテーマにチャレンジしたい。我々自身の実業としてのレバレッジを効かせて、人・組織・企業が広く変わるような仕組みを社会的なインフラとして提供し、新しい世界を創っていきたいのです。2020年までには「エッグフォワードのおかげで世の中が本当に変わった」と世間に認知されるような“ターニングポイント”を創り、そこからさらに影響範囲を広げていきたいと考えています。ようやくBtoBの顧客基盤が確立し、その上でこれからいろんなことにチャレンジできるタイミングなので、いま当社に参画するのは本当に面白いと思いますよ。
入江
「個」から「面」にサービスを拡げていく試みは、他のコンサルティングファームでも取り組んでいるものの、なかなか結果が出ていないのが実情です。エッグフォワードはそこに敢えてチャレンジしようとされているわけですね。
徳谷
それを実現するためには、一般的なファームが行ってきた、コンサルティング的なアプローチのみではやはり難しいと思います。常駐して戦略立案や課題解決を行い、プロジェクトが終了すれば退くという従来のスタイルではレバレッジが効かせられない。我々は、コンサルティングの範疇を超え、社会に新しい仕組みを創るような事業を自ら立ち上げ、担っていきたい。たとえば、我々は日々、様々な企業における先進的な課題に対峙していますが、その中で、社会の負を解消するための兆しに触れる機会は非常に多い。高度成長期に作られた日本企業の価値基準モデルは、もはや過去のものになっています。エッグフォワードは、次の価値基準モデルを作っていきたい。そのために、複数の切り口から新規事業の種を広げています。科学的な分析・可視化・ランク付けなど、チャレンジし始めていることがたくさんあります。そうした社会に大きな影響を与えるプラットフォームをこれからいろいろと創っていきたいのです。

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世の中を変えたいという強い想いがあれば、どんなことでも挑戦できる。

入江
金沢さんは最近、エッグフォワードに参画されたとのことですが、これまでのご経歴と、こちらに転職された経緯をお聞かせ願えますか。
金沢
以前はメガベンチャーでソリューション営業の部門責任者を担っていたほか、社内で「働きがい」に関する新規事業を自ら立ち上げてリードしていました。実は社内で事業提案する少し前、世界的なベストセラーになった「ワーク・シフト」を読み、個人的に大いに触発されるところがありました。今後の社会はAI化、グローバル化が進み、プロジェクトベースで動くようになる。すると「雇用」という概念がなくなっていく。日本人は組織の中で生きていくのは上手ですが、プロジェクトベースでアサインされるような時代になると、組織以外の観点で強みを発揮できない人は、きっと働く場を失ってしまう。「このままでは日本が終わってしまうかもしれない」と、強烈な危機感を覚えたんですね。それで、いま企業に勤めている人を変えていくような新事業を社内で起こしたのですが、最終的には自社のソリューションに結びつけるミッションを課せられ、なかなか自由が利かず、私がこうすべきだと思ったことが実現できなかった。そんな折、徳谷と出会い、話を重ねるうちに彼が抱いている問題意識と、自分が抱える問題意識がとてもフィットすると感じて……前職では正直、私の想いに100%共感してくれる人がいなくて孤独感を味わっていたのですが、徳谷と話していると大いに盛り上がり、この人とは同じ方向を向いていると直感して、ぜひここにジョインしたいと転職したのです。
入江
徳谷さんが描くビジョンに共感されたのですね。では金沢さんは入社後、具体的にどんな仕事に携わっていらっしゃるのですか。
金沢
現在は、クライアント企業向けの全社変革のコンサルティングサービスを手がけるとともに、先ほど徳谷が申した自社の新事業の開発・推進にも携わっています。
入江
実際にこちらに参画されて、何かギャップを感じられたことはありましたか。
金沢
既存事業ではクライアント企業から寄せられるオーダーがあまりにも壮大なテーマばかりであることに、最初はちょっと驚きました。他のファームですと、コンサルティングというのは、ある程度明確なお客様の課題に解を提供していくイメージがあったのですが、「会社の未来や、それを担っていくリーダーを創って欲しい」「課題が事業と組織、人材に全てまたがっていて困っている」という状況がほとんど。世の中を代表するようなトップ企業の本質的な課題に、ここまで抜本的な価値提供をするのかと、驚きました。
徳谷
我々に寄せられるのは、クライアントが抱えている悩みが事業課題によるものなのか、組織課題なのか、それとも人材課題なのか、判別しないテーマが多いんですね。むしろ、そうした難しいテーマこそ我々が頼られる。機能分化された他のコンサルティングファームでは解消できないからこそ、我々に相談が来るのだと思います。
金沢
新事業開発については、まず与えられる裁量の大きさに驚きました。ある意味、何でもやっていいよと(笑)。具体的には、私は日本の大手企業のミドル人材に大きな課題感を持っていて、彼らが変われば社会も変わるのではないかと考えて臨んでいます。企業の中核を担うミドルマネージャーが、ただ上からの指示を現場に下ろして調整するだけでは、日本の大手企業はどんどん競争力を失ってしまう。重要なミドル人材を変革するために、どんな切り口なら他と差別化でき、かつきちんとマネタイズできるのか、HR-Techなどのアプローチを駆使していろいろと知恵を絞り、推進しているところです。私は過去の営業経験から、与えられた課題を解決するより、自分が価値を感じているものをお客様に届けることに面白味を感じる人間です。自分の想いを伝えてお客様を動かしていくのが好きで、いまはエッグフォワードが提供したい価値と自分の想いがリンクしていることに非常にやりがいを覚えています。
入江
金沢さんのように、想いを持ってやりたいことに挑めば、何でもかなえられる環境があるということですね。
徳谷
おっしゃる通りで、エッグフォワードには機会がいくらでもある。今の事業もあくまで手段の一つです。目指す方向性が重なっていれば、他の手段でも構わないと思っています。このインタビューをご覧になるのはコンサルタント経験をお持ちの方が多いとのことですが、ファームだと自分がプロジェクト責任者としてクライアントに対峙できるようになるまでかなり時間がかかりますし、そこで提供できるソリューションの方向性もだいたい決まっていることが多いです。一方、当社なら「こんな価値をお客様に提供し、社会に影響を与えたい」と思うことは何でもできる。コンサル経験を活かしながら、世の中に本当に価値ある事業を創るチャンスに溢れています。
入江
では最後に、読者の方々にあらためてメッセージをお願いします。
徳谷
エッグフォワードは、世間では「人」のみに閉じたサービスを提供している企業だと認識されることもあるのですが、実態はまったく異なります。我々は「人事」や「教育」のみに関わりたいわけではなく、先に述べたように世の中の閉塞感を打破し、エッグフォワードが存在するからこそ実現できる世界を目指し、日々チャレンジしています。言い方を変えれば、人が可能性を実現し合えるような世界に繋がる「新しいターニングポイント」を創り続けている。そのために介在するのが「人」であるというだけです。我々の目指す方向に大枠として共感し、その中で何か「自分が実現したいもの」を持っている方であれば、大歓迎です。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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