コンサルタントから事業会社に転身するのに これほど格好のフィールドはない。 世界最大の小売企業ウォルマートの強さの源泉「ウォルマート・カルチャー」を武器に大変革期の日本の小売業界で勝つ

合同会社西友 荒木 徹氏 濱口 友彰氏

Vol.39

コンサルタントから事業会社に転身するのに これほど格好のフィールドはない。 世界最大の小売企業ウォルマートの強さの源泉「ウォルマート・カルチャー」を武器に大変革期の日本の小売業界で勝つ

ウォルマート・ジャパン/西友

商品本部 補充事業部 バイス・プレジデント荒木 徹氏

ストラテジー&インテグレーション PMO シニア・ダイレクター濱口 友彰氏

世界NO.1の小売企業であるウォルマートの傘下に入り、近年、好調な業績を上げて日本の流通業界で独自の存在感を放つ西友。同社ではいま、実業志向のコンサルタント出身者が多数活躍している。荒木氏と濱口氏もそうした人材であり、西友の変革を最前線でリードするお二人に同社でキャリアを積む魅力について話をうかがった。

コンサルタント経験を活かせる稀有なオポチュニティが西友にあった。

永田
まずは西友に入社されるまでのお二人の経歴を教えていただけますか。
荒木
私は新卒で外資系のIT企業に入社し、そちらに10年ほど在籍しました。その間、さまざまなプロジェクトに携わりましたが、私にとって契機となったのはある企業のM&AにともなうIT統合案件です。プロマネとして参画し、IT統合のプロジェクト自体はうまくいったものの、M&Aはその企業にとって負担が大きく、事業全体の統合を進めている間に競合が成長し、厳しい経営状況に陥りました。私はあくまで外部企業からクライアントのIT領域の統合を推進する立場にいましたので、事業全体の統合に関する意思決定に関与することができず、非常に後悔が残る仕事でした。そこであらためて経営全体を俯瞰した意思決定に関わることの重要性を強く感じ、そうした経験を積むことが自分の価値を高め、社会に貢献できる力を高めていくことにも繋がると考え、経営コンサルタントへの転身を決意したのです。その後、某コンサルティングファームで戦略立案や、統合、改革推進のプロジェクトなどを数々手がけた後、西友に転職しました。
濱口
私は大学卒業後、民間のシンクタンクに就職し、研究員として3年ほどキャリアを積みました。官公庁の政策に関する調査研究の受託案件に携わり、情報の収集・分析からアウトプット作成までさまざまなスキルを身につけることができ、業務自体はたいへん面白かったのですが、官公庁がクライアントの案件であったため、自分のアウトプットがどう政策に反映され、どう社会に活かされているのかがあまり実感できず、自分の仕事のアウトカムがわからないことに不満を覚えていました。もっとクライアントにとって重要度の高いテーマを担い、成果が目に見える仕事がしたいという思いが募り、それが果たせるのは戦略コンサルティングファームではないかと考えてボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に転職しました。そこでの仕事はまさに私が求めていたもので、クライアントの命運を左右するような経営課題の解決に懸命に取り組み、私自身も大きく成長することができました。そしてそちらに7年半ほど在籍した後、新たなキャリアを求めて西友に移ってきたのです。
永田
お二人がコンサルティングファームから西友に転職されたのはどのような経緯ですか。
荒木
実は前職のコンサルティングファームで、ウォルマートと西友のインターナショナルなインテグレーションプロジェクトに参加する機会がありました。そこで西友の経営層の方々の知遇を得て、『社内に新たに“コーポレートPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)”という組織を立ち上げるので責任者としてリードしてくれないか』というオファーをいただいたのです。当初は転職する気持ちはなく、コンサルの世界でずっと勝負していく心づもりだったのですが、熱心にお誘いをいただくうち、これまで培ってきたスキルを活かして西友の事業、また社会に大きく貢献できることがあるのではないかと転職を考えるようになりました。また、コンサルティングファームは時間や曜日に関係なく猛烈に働くカルチャーでしたが、ちょうどライフステージにおいて、ワークライフバランスを取りながら、家族と一緒に過ごす時間をもっと持ちたいと思っていた時期だったこともあり、「ウォルマート・カルチャー」の基、すべての人を尊重する働き方を奨励する西友であれば、自分らしい働き方ができるのではないかと考え、転職を決意しました。
濱口
私の場合、BCGで仕事自体にはとてもやりがいを感じていたのですが、マネージャーに昇格して自分でアウトプットまで設計して提案できるようになると、もっとクライアント側に寄りたいという気持ちが強くなってきました。良い提言をしても、それを実行するのは当然ながらクライアントです。“他人の褌で相撲を取る”より、自分で意思決定できる場所に身を置きたいと考えたのです。加えて、コンサルティングファームで鍛えられるファクト&ロジックだけでは解決できないところにビジネスの本質があるとも感じていて、それを自ら肌で感じながら仕事をしたいという思いもありました、とはいっても、私はそれまでシンクタンクとコンサルティングファームに在籍していたので実業に携わった経験がまったくなく、いきなり事業会社でビジネスの最前線を担えるほどの知見はない。どうしたものかと迷っていたところ、西友が“コーポレートPMO”という部門で人材を求めていることを知りました。もともと消費者を相手にしたBtoCビジネスが好きで、“消費者”をキーワードにしていこうと考えていましたし、話をうかがうとこのコーポレートPMOはコンサルタント経験をフルに活かしながら実業に入っていける稀有なポジションだということが分かりました。世界NO.1の小売業であるウォルマートのソリューションを日本に持ち込めることにも大きな魅力を感じて、ぜひここで新たなチャレンジをしようと決断しました。

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コーポレートPMOを経て、ビジネスファンクションを率いるリーダーへ。

永田
お二人が入社後、最初に所属されたコーポレートPMOはどのような組織なのでしょうか。
濱口
コーポレートPMOは、経営企画でもなく、ビジネスファンクションでもなく、全社的な戦略プロジェクトの推進を担う組織です。3年後、5年後に西友がなりたい姿を見据えて、現状とのギャップを分析し、それを埋めていくためのアクションを経営陣と共に考えて推進していく。そのような大きなアクションの推進には、現状の延長線上ではない大きな変革を、複数のビジネスファンクションを巻き込んで推進していく必要があります。そこで、絶えず経営陣とコミュニケーションを取りながらそれをリードしていくことが、コーポレートPMOのミッションです。
荒木
会社を変革していくようなプロジェクトを成し遂げていくためには、短時間で多くのデータを収集し、それを基に論理的に考えて答えを出すことが求められます。まさにそれはコンサルタントで経験していたことです。また、小売業で長くキャリアを重ねてきた人は、現場で改善オペレーションを素早く回していくことに関して素晴らしいパフォーマンスを出します。では、従来の業界の常識にとらわれない発想を飛ばすということに慣れているかというと、そうとばかりも言えない。そこに我々のようなコンサルタント出身者が新たな観点からインプットをすることで、互いの強みが活きる形で良いシナジーが生まれると感じます。
濱口
まさにその通りで、このコーポレートPMOは我々コンサルタント出身者が大いに価値を発揮しうるポジションです。仕事というのは突き詰めれば「答えを見つけ、実行していく」ことだと思います。日々生じる新たな課題に対して自分で考え、答えを出していく力は、コンサル時代に徹底的に鍛えられましたし、それはどこの会社でも普遍的に必要とされると感じています。私は小売業に携わるのは初めてでしたが、「答えの見つけ方」を使って入社後すぐに活躍できる場面はいろいろありました。
荒木
コーポレートPMOはプロジェクトを推進していく上で、いろんなビジネスファンクションと協業し、バリューチェーンのすべてに関わっていきます。我々のように流通業の経験の少ない、もしくは全くないようなメンバーでも、短期間でビジネス全体を俯瞰でき、社内のネットワークも広がり、小売の現場も理解できます。まず、ここで経験を積むことで、その後のキャリア展開もスムーズになります。私も2年半ほどこちらで様々なプロジェクト推進を経験した後、各ビジネスファンクションで変革を進めていくリーダーとして、現在は、サプライチェーンマネジメント、マーチャンダイジングの領域で業務革新をリードしています。ビジネスリーダーを志向するコンサルタントが事業会社にエントリーするにあたって、このコーポレートPMOは絶好のポジションだと思いますね。
永田
お二人とも事業会社に籍を置くのは初めてとのことですが、前職と比べて何かギャップを感じることはありましたか。
荒木
コンサルティングファームは、良くも悪くもある程度近いバックグラウンドや志向を持つメンバーと仕事をすることが多いので、やりやすい面はありました。一方、現職では、それまでに出会ったことがないような様々なバックグラウンドや志向、ライフスタイルを持つメンバーが多い非常にダイバーシティーに富んだ環境です。そんな中で、西友では、多様性を受け入れることが会社を強くするという考え方の基、「ダイバーシティー&インクルージョン」の取り組みを進めています。当初は、仕事に対するアプローチやスピード感の違いに戸惑うところもありましたが、今は、多様な考え方や発想から学びながら新たなビジネスのスタイルを模索し、確立していくことで確実に自らも成長することができていると感じています。
濱口
最近切に感じるのは、思考とスピードのバランスが重要だということです。この業界は日々変化し、ネット企業も含めて競合がどんどん多様化しています。一方で国内の消費市場は成熟し、今後劇的に拡大することは望めません。そんな中で競争に勝ち抜くためには、従来のやり方の延長線上ではない非連続な思考が必要であり、さらにそこから生み出された施策をスピーディーに実行していかなければなりません。「大胆に・正しく考えて」「早くやる」ことをどう両立させるかが悩ましいポイントであり、経営陣とも議論になることが多いです。でも、そうした場で上の人間は必ず下の意見を聞いてくれますし、無邪気なアイデアでもきちんと議論の俎上に載せてくれます。社長室のドアはいつも開いていて、私のようなスタッフがふらっと相談に訪れても応えてくれます。そうしたカルチャーをとても魅力に感じています。
荒木
そう、親会社であるウォルマートのカルチャーが社内に根づいていますよね。上司が部下をリードするやり方も、以前のファームとはまったく違いますし、こちら入社してから私の仕事のスタイルもガラッと変わりました。

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コンサルタントから事業会社に転身するのに これほど格好のフィールドはない。 世界最大の小売企業ウォルマートの強さの源泉「ウォルマート・カルチャー」を武器に大変革期の日本の小売業界で勝つ コンサルタントから事業会社に転身するのに これほど格好のフィールドはない。 世界最大の小売企業ウォルマートの強さの源泉「ウォルマート・カルチャー」を武器に大変革期の日本の小売業界で勝つ

社員全員がウォルマートの価値観をしっかりと共有。それがとても心地いい。

永田
ウォルマートは独特のカルチャーを持つ企業として知られています。いまお二人がおっしゃったカルチャーについて、もう少し詳しくお話しいただけますか。
濱口
当社は事業を営むにあたって、ウォルマートグループ共通の「私たちのバリューと行動」を定めています。そのひとつが「すべての人を尊重する」ということです。相手の言うことを頭ごなしに否定することは絶対にありませんし、我々のような外部から来た人間の考えも取り入れてベストな答えを出そうとしています。それは大きな変革を進める上でとても重要な要素だと思います。また、先ほどの「すべての人を尊重する」というバリューに通じることですが、この会社には相手を称賛する文化があります。感謝をきちんと言葉にして伝えることが浸透しており、良くも悪くも「アウトプット主義」であるコンサルティングファームの文化に染まっていた私には新鮮でした。
荒木
ウォルマートの優秀な外国人リーダーの方々と関わる機会も多いのですが、相手を称賛するカルチャーをみな体現していて、私もおのずとそうしたマネジメントを心がけるようになりました。そして創業以来ウォルマートが掲げるミッション “Saving people money so they can live better”(お客様に低価格で価値あるお買物の機会を提供し、より豊かな生活に寄与することを目指す)のためのビジネスモデル“EDLP (Every Day Low Price) ”“EDLC(Every Day Low Cost)”を追求するといった考え方を社員全員が共有していて、その芯が頭のてっぺんからつま先まで通っている。常に経営陣が「私たちが日々の仕事を変革・改善することでお客様の生活がより豊かになる」というメッセージを発信し続けていて、社員はみなそこに喜びを感じて仕事に取り組んでいると感じます。これほど多くの人にミッションを浸透させているのは純粋に凄いと思いますし、共通の価値観を持って動ける集団はやはり強い。個人的にはこのカルチャーはとても心地いいですね。
濱口
あと経営会議に参加していて印象的なのは、業績がいい時ほど「このままで本当に良いのか」と必ず誰かが一石を投じることです。これも、「常に最高をめざす」というバリューを体現している例で、現状に満足せずに常に革新していこうという気概に溢れていることを感じます。
荒木
ウォルマートはグローバルで事業を展開する企業なので、常にどこかの国がいままで遭遇したことのない新たな問題に直面しています。日本法人のリーダーたちは常にグループ各国のリーダーとコミュニケーションをとっていて、そうした状況を把握し、先を見据えていち早く変革を仕掛けていこうとしています。日本法人はここ数年業績が好調であるにもかかわらず、「変革なしには生き残ることはできない」という危機意識を強く抱いていて、新しいチャレンジをどんどん繰り広げています。それを現場でリードするのが我々の役割なのですが、次々と面白い経験が味わえて非常にエキサイティングな環境です。
永田
御社でビジネスをリードする醍醐味はどこにあるとお考えですか。
荒木
ここには実に多様なバックボーンを持つ人材が集っており、そういった多様な個性が大きなミッションに向かってワンチームで働くことで起こる色々な化学反応は大きな刺激になります。そして小売業というのは、何か施策を打てば店舗ですぐに結果が出て、お客様からフィードバックがある。成果を実感しやすいという点ではネットサービス企業も同様かもしれませんが、我々のビジネスはリアルであり、反応がとても生々しい。そうしたライブ感が私は気に入っています。
濱口
「店舗」というお客様と接するリアルな現場があるのがいいですね。データを分析するだけではわからないことでも、店舗に足を運んで現場を見たり、店舗のアソシエイト(*1)と会話をすることで違ったインサイトが得られることもあります。また、我々のビジネスは調達、商品開発、製造・加工からお客様に商品を届けるまでバリューチェーンが長いので、至るところに改善の機会がある。コンサルタントのバックボーンを持つ人間として、改革マインドをくすぐられるような点がたくさんあって、それもモチベーションに繋がっています。

(*1)ウォルマートでは、従業員のことを共に働く仲間という意味を込めて「アソシエイト」と呼ぶ。
永田
では最後に、お二方のように事業会社への転身を考えているコンサルタントの方々にひとことお願いします。
濱口
コンサルタント出身者はいろんなビジネスで通用する汎用的なスキルを持っているものの、オポチュニティが多いがゆえに、ともすれば単に使い勝手のいい人材として扱われているうちに年月が経ってしまうリスクを持っていると思います。そんなキャリアはもったいないですので、まず自分が何をしていきたいのか、何をしている時が一番自分らしく楽しく仕事ができるのかを自問してみて、なりたい姿から逆算していまどんな経験を積むべきかと考えると良いのではないでしょうか。
荒木
いまの濱口のアドバイスを受けてお話しすると、コンサルタントはやはり課題を解決することが楽しいという人が多いと思います。そうした志向を持つ方なら、常に変革を仕掛けていこうとするWalmart/西友は、コンサルで培った思考やスキルを活かせる環境ですし、実業を学んで将来のビジネスリーダーになるキャリアパスも提供してくれる。インターナショナルに活躍できるオポチュニティもあり、目標になるリーダーも世界中にいる。コンサルタントから転身するのに、これほど格好のフィールドはないと思います。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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