これまでのキャリアでこだわってきたのは『事業開発』と『成長企業』 これまでのキャリアでこだわってきたのは『事業開発』と『成長企業』

Vol.09

これまでのキャリアでこだわってきたのは『事業開発』と『成長企業』

株式会社ジンズ(旧株式会社ジェイアイエヌ)

管理本部ゼネラルマネージャー香川 憲昭氏

販売本数150万本を突破したパソコン用メガネ「JINS PC」で視力矯正を必要としない人向けの市場を新たに創出するなど、成熟市場と思われていた眼鏡の世界で躍進を続けるジンズ。執行役員の香川憲昭氏はこれまでの成長企業でのマネジメント経験や知識を活かし、同社の急成長に貢献している。
40人のベンチャーが2000人規模に成長する過程をサポート
入江
まず、香川さんのご経歴について教えて頂けますでしょうか。
香川
はい。私は新卒で当時の国際電信電話、現在のKDDIに入社し最初は法人営業を担当しました。その後、事業開発本部へ異動し、主に新規事業の企画や既に立ち上がっているグループ会社のマネジメントに関わる機会が増えました。もともと私は企業経営や事業開発に対する関心があったのですが、そこからさらに興味が強くなっていきました。折しも90年代後半で、空前のベンチャーブームが盛り上がっている頃。KDDIは素晴らしい会社ですが、私自身のキャリアを切り拓くという意味で一念発起する必要があるのではと思い、2001年にドリームインキュベータ(以下、DI)に転職し2006年末まで働いた後、2007年にジンズに転職し、現在に至ります。
入江
なぜKDDIからコンサルティングファームのDIへ転職されたのですか。
香川
ベンチャー企業の支援、及びハンズオンでお客様と一緒に事業をつくっていく経験ができそうだったことが一つ。そして自分に経営や事業開発に関する知識が足りないことを自覚していたので、仕事を通じそれを学べることの二点が主な理由です。入社時のDIはまだ未上場で社員数も20名くらいでしたが、あまり迷いはなかったですね。他に有力な選択肢として海外留学を考えた時期もあったのですが、コンサルタントとして直接お客様と向き合い、経営課題そのものと格闘する中で蓄積される知識や経験は他に代え難いと考えたのです。実際、DIでは他ではあり得ない稀有な経験ができたと思います。
入江
DIではどんなプロジェクトに従事し、どんなことを学びましたか。
香川
当時のDIはコンサルティングビジネスとベンチャー支援の両輪で回っていたので、両者の経験をまんべんなく積んでいくことが求められ、体半分は大企業向けのコンサルティング、もう半分はベンチャー支援という形で非常に多くのプロジェクトに関わりました。中でも学ぶことが多かったのは、ある有力不動産ベンチャーとのお付き合いでした。社員数40人くらいの時からお付き合いが始まり、ジャスダック上場、東証一部上場、そして社員数2000人へと成長する過程で成長段階ごとに変わっていく経営課題の解決を支援する機会に恵まれたのです。成長段階に応じて経営課題が変わり、我々もそれに対応してしっかり支援するという形で企業の急成長に伴走できたことは非常に幸運でした。
入江
DIで手がけたベンチャー支援の内容について、もう少し詳しくお聞かせください。
香川
DIでは主に経営戦略を支援することが多かったです。ただ、外部の人間が成長戦略を策定し「はい、これ」と渡しても、人材や経営資源の限られたベンチャーではうまくいきません。そうではなく私たちはお客様と共に経営課題と向き合い、共に悩みながら最終的に「こっちの方向に行くべきである」と戦略づくりのプロセスを共にするスタイルでプロジェクトを進めていきました。そうすると結果的に現場を引っ張っているリーダーの皆さんが結論に納得感を持ちやすくなるわけです。また、ベンチャーの強みはトップの号令一下、みんなが一つの方向へ走っていくことで、一時期はその強みによって成長ステップを一気に駆け上がることができます。しかし、ある程度規模が拡大するとその強みが弱みに転じるフェーズがやってきます。トップの号令で動いてきた組織はたいてい「上からの命令を待っていればいい」という行動様式になってしまうのです。それを防ぐには自分の頭で考える人を増やすとともに、同じビジョンに向かって航海する仲間になってもらう必要があります。個々人が勝手な方向に向かっては組織がバラバラになってしまいますから。そうしたサポートをすることがベンチャー支援プロジェクトでは多かったですね。

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事業会社へ転身した決め手は「優れた経営者との出会い」
入江
DIからジンズへ転職されたきっかけは何ですか。
香川
DIでの経験を積むにつれ、事業開発を事業会社の立場で主導的に進めていきたいという気持ちが強くなっていきました。そんな頃にベンチャー経営者に集まっていただき、想定される経営課題に対し「自分ならどうするか」を考えるという勉強会を主催する機会に恵まれ、そこで弊社社長の田中と接点を持つようになりました。最初にお会いしたときはまだ上場前だったのですが、組織の成長はリーダーによって決まるという説が正しいとすると、田中は卓越した経営者であるとの印象を私は強く持ち自ら志願する形でジンズに入社することになりました。当初は経営企画室もなかったですから、管理本部のシニアマネージャーとして入社し、様々な経営課題についてトップマネジメントの指示を受けて組織横断的に解決していくという形で、人事制度の整備、EC事業の立ち上げ、店舗オペレーションの改善、社員教育など、様々な経験を積み、現在に至ります。
入江
田中社長が経営者として優れているとお感じになったのはどんな点ですか。
香川
日頃から学び続けていることです。ベンチャー企業の経営者は上場した途端に気が緩んでしまう経営者が少なくないのですが、田中は企業の成長継続のために謙虚に学び続けるという姿勢が今でも変わりません。20年以上社長業を続けるなかで、学び続けないといろいろな問題を乗り越えられないと身をもって経験しているからこそ、その姿勢を堅持しているのだと思います。
入江
香川さんがジンズに入社した時期は現在のような躍進が始まる前で、経営的に厳しい時期もあったと聞きます。どのような状況だったのでしょうか。
香川
一般的にいえることですが、上場を実現したベンチャーでも事業環境の変化に合わせてビジネスモデルをブラッシュアップしないと強みが相対的になり、その先の継続的な成長が難しくなります。ジンズは2006年にヘラクレス(現JASDAQ)上場を果たしたのですが、そのような落とし穴に結果的にはまってしまいました。当時はファッション性の高いアイウエア事業と服飾雑貨事業のSPA化を進め、両者を融合した事業をつくるという成長戦略を立てていたのですが、結果的に時代のニーズとマッチしていませんでした。しかも稼ぎ頭であったアイウエア事業の収益性が大手企業の攻勢が強まったことで揺らいできました。入社前、そして入社直後はもっと順調に成長が続くものと思っていたのですが、甘すぎました。
入江
その時、この転職は間違いだったかもしれないとは思いませんでしたか。
香川
ビジネス的に正しいことをやっているとの確信があったので、そうは思いませんでした。服飾の世界ではユニクロやGAPなどSPAで大成功を収めた企業が存在し、有力な経営スタイルの一つとなっています。アイウエア分野でも当然SPAは成り立つし、そこでジンズは有力なプレーヤーになり得るとの確信が私にはありました。つまり、現状は手段が間違っているだけだから、それを調整さえすればいいと。ただ、結果的にみるとその調整は決して簡単ではなく、レンズ追加料金無料(*単焦点のみ)のオールインワンプライスを導入する一方、「エア・フレーム」という有力な新商材を開発し、それを売るためにプロモーションに注力する、というように、創業以来の大きなチャレンジをいくつも重ね、それらが積み上がっていったからこそ現在のジンズがあるのだと思います。
入江
そんな会社の変革時に香川さんはどんな役割を担当されましたか。
香川
当時の主な役割としてはお店の立て直しでした。業績の落ち込みに伴い辞めるスタッフが続出したり、お店ごとにオペレーションがバラバラだったりといった問題があったので、店舗オペレーションを標準化し定着させ、新しく打ち出す施策をきちんと展開できる体制を整えました。これは今後100店、200店とお店が増えても同じルールで運営できるようにするためでもあります。つまり大量出店が前提の成長戦略を考えていたわけですが、そこでもう一つ重要になるのが人材の確保と教育です。大量出店には人材教育の体系化が必要で、私自身も眼鏡づくりの勉強をしながら教育体系を構築していきました。

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キャリアでこだわってきたのは「事業開発」と「成長企業」
入江
EC事業の立ち上げや店舗運営、総務人事と幅広く業務を担当されてきた香川さんがコンサルティングで身につけ、今役立っている能力や経験にはどんなものがありますか。
香川
私が自分のキャリアでこだわってきたキーワードが二つあります。それは「事業開発」と「成長企業」です。米国ではマイクロソフトやグーグル、アップル、フェイスブックといった覇権を握る新しい会社が次々に出現し、今後もまた出てくる雰囲気がありますが、日本の成長企業はそこまでいかない段階で成長が止まってしまう。それはなぜかということを私はずっと考えています。そして自分のキャリアを振り返ってみると、まずKDDIでは国際通信事業で成長した後、衰退の兆候があった会社をもう一度成長させようと事業の多角化やポートフォリオの入れ替えに取り組む場面にたまたま私は居合わせ、DIでは40人の会社が2000人の会社へ急成長するようなプロセスを直接見聞しました。そうした経験のなかから成長企業特有の動きや課題があるのだと気付いたことで、常にベストとは言いませんがベターな道の歩み方はできたと思います。
入江
ジンズにマッチする人材はどんな人ですか。特にコンサルティングファーム出身者にはどんなことを期待していますか。
香川
3つあります。ベーシックなことですが、①明るく、②謙虚に学ぶ姿勢を持ち、③悲観的でなく前向きなメンタリティの持ち主です。これらの資質はわりと人間の根っこの部分なので、一定の年齢を超えるとなかなか変えることが難しいものだと思っています。ここが合わないときっと入った後で苦労しますから。また、コンサル出身者に期待したいのは問題解決のスキルや企画提案力など、答えのないところで答えを出す経験から得た強みの部分です。また個人プレーではなく、チームプレーで仕事を進めるメンタリティも重視しています。
入江
コンサル出身者がジンズで働く喜びにはどんなことがあるでしょうか。
香川
現在のステージでもまだまだ私たちがやりたいことのほんの一部しか実現できていません。大ヒットしたパソコン用メガネ「JINS PC」でさえ、田中の表現を借りれば「将棋の歩」でしかない。働く我々自身が、ジンズのビジネスがさらにグローバルに成長していく可能性を強く感じているステージなので、いま会社にジョインしていただいても新たに切り拓いていける領域はまだまだ広がっています。ですから、力のある方にぜひジンズに加わって活躍していただきたいと思います。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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