コンサルタント転職のこぼれ話
自分のフィールドを決める

キャリアコンサルタント 入江 祥之

自分のフィールドを決める

先日弊社にて、陸上スプリント種目日本初の世界メダリストの為末大さんのインタビューを取らせていただきました。為末さんは『アスリートの世界』の第一人者ですが、『ビジネスの世界』においても非常に参考になるお話でしたので、今回は為末さんのお話をもとに進めさせていただきます。

為末さんは中学時代に100Mで日本一になられています。しかし、高校で成績が伸び悩み、400Mハードルに種目を変えてから飛躍的に成績を高められ、世界でメダルを獲得されました。陸上の世界では100Mが花形であり、100Mから種目を変える時には相当な悔しさや葛藤があったようですが、最終的には嫌々ながらも生き残れる方法に縋りつき、世界で戦える道を選ばれたようです。為末さんのインタビューで印象的だったコメントをピックアップします。

「社会的評価とやれる感の間で揺れた結果、最後はやれる感じがする道を採った」
「好き嫌いに拘るのをやめてニッチで勝てる道をいく」
「先に世界を見ること、すごい人を見ると、これだとどうせ行けないということも分かる」
「本質的な自分を知り、迷う前に世界を見ること。自分の強みを最大限活かし、好きで継続できるものでなければ、到底世界レベルには辿り着けない」

この話を聞いて、日頃の私の面談を振り返ったとき、コンサルタントであれば、戦略コンサルタントになりたい(できればトップファーム)、事業会社であればマネジメントをやりたい(将来はCXOになりたい)と希望される方が多いことを思い出しました。要は、なんとなくこうなりたい、という曖昧なご希望に留まってしまっていることが多いです。もちろん転職活動の初期フェーズであれば全く問題ないと思います。また、20代の方であれば、社会人経験も短く、見えている世界も狭いので、自分の特性や強みなど、自分自身を客観的に理解することや、本質的な自分を知ることは難しいかもしれません。ただ、30代以降にもなってくれば少しずつ現実的な世界や、周囲の人達と比べてみて自分はどうなのか、という自己理解も深まってくるかと思いますので、自分自身の特性をしっかり理解した上で自分の進むべき道を探していくのが良いと思います。

また、所謂花形と言われる仕事や、世間的に人気のある会社が自分にとってベストではないことも気が付いてくると思います。個人によって幸せな人生や充実したキャリアはそれぞれ異なります。弊社の社内用語で、よく『根っこの価値観』という言葉を使いますが、自分のキャリアや人生にとって何が重要なのか、モチベーションの源泉は何かなど、自分の『根っこの価値観』を理解することがキャリアを選択する上では非常に大事です。

最近転職をお手伝いした方(Aさん)のケースをご紹介させていただきます。Aさんは設備管理の実務経験を積んだ後に、戦略コンサルタントを数年経験され、今回は、設備管理会社の経営企画へ転職されました。Aさんは戦略コンサルタントのキャリアを積んだことによって、選択肢が格段に広がり、沢山のオファーが届いたようですが、その中でも傍から見ると最も地味に感じる会社を選ばれました。最終決断のポイントはいくつかあったのですが、その中でも印象的だったのが、「自分は戦略コンサルタントの中では決して一流ではないかもしれませんが、設備管理×戦略コンサルタントの経験を持っている人は非常にレアであり、自分の強みが最も活かせると思った為」という言葉でした。また、その方は将来的にはPEファンドの投資先の経営を担うことも視野に入れていて、PEファンドの投資先は地味な事業を行なっている会社も多いので、次のキャリアにもきっと繋がるはずだと思われたようです。

私は上記の決断理由を聞いて、為末さんのお話とリンクして、Aさんは『自分の勝てるフィールド』を自信を持って決められたのだと感じました。

世の中には稀に自分の仕事を天職だと言い切る人がいますが、そのような方々は大抵自分の生きる道をしっかり定められています。言うは易しで、なかなか自分のフィールドを決めるのは難しいですが、弊社では最近『根っこの価値観』を見つける為のフレームワーク(Value Finder)を開発しましたので、もしご興味のある方がいましたら、是非ご連絡いただければと思います。

(2020年11月20日)
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