約2年前、弊社キャリアコンサルタントの入江が本ブログにて"コンサル業界のトレンドと採用マーケットの変化"についてお伝えしました。
その後もコンサルティングファームは変化を続けており、今回のブログでは私が感じている直近の変化をお伝えします。
「デジタル・IoT」
これまで、デジタルに特化したコンサルティングファームが設立されたり、各社にてデジタルコンサルタントを募集する状況でしたが、経営コンサルタントや業務ITコンサルタントが携わる案件の中にデジタル要素が含まれることが当たり前になってきています。
先日、あるコンサルティングファームの方と打ち合わせをしたところ『数年前、人工知能を活用するコンサルティングをしているチームを横目で見ながら本当に上手くいくのだろうか?と思っていたが、今では、そういった案件に積極的に携わっていかなければ社内でのコンサルタントの価値が下がってしまうように感じる』という話を聞きました。
ウェアラブルデバイスを活用した企業・店舗向けサービスの提供、機器や装置にセンサーを埋め込むことで潜在トラブルを予兆・検知する仕組みの導入、製造業における3D printerの活用によるコスト削減などIoTを活用したコンサルティング事例も増えてきており、PLMやMESの経験をお持ちの方を募集するなど新たな採用の取り組みも始まっている状況です。
「UP or STAY」
お客様の中に知見が蓄積し、コンサルティングファームは
戦略の立案だけでなく変革の実現までを期待されるようになっており、
現場感のあるコンサルタントが活躍しています。
また、”金融×ヘルスケア”、”小売×決済”など業界の垣根を超えたサービス提供も始まっており、
専門性の高さもこれまで以上に求められるようになってきました。
従来の評価指標で”UP or OUT”を続けていては現場感・専門性のあるコンサルタントが育たないことや、
多様なキャリアモデルが求められる時代背景から、
"UP or STAY"の方針を取るコンサルティングファームが増えています。
コンサルティング未経験の方の採用においても、若手の方だけでなく
ミドル・中堅クラスの方の入社が増えている傾向があります。
「働き方」
コンサルタントというと、以前は、”激務”、”ハードワーク”、
”お客様のために昼夜を問わず働く”というイメージがありましたが、
最近は、コンサルティングファーム各社の打ち合わせの中で、働き方が改善していることを伝えて欲しいという話題になります。
現役コンサルタントの方と面談をしていると”働き方が改善した”、”実際は持ち帰って仕事をしている"、”MGR以上は大変”など様々な声を聞きますが、今は変化の途上であり働き方は今後も変わっていくのだと思います。
コンサルタント時代、ハードワークを続けた自分からすると、働き方を改善しながらお客様からの高い期待に応えることは難しいのでは?と感じてしまいますが、先日、「NIKKEI STYLE」というサイトに掲載されていたアクセンチュア社の人事部長のインタビューに、自身の問いに対する回答がありました。
---------------------------------(「NIKKEI STYLE」より引用)
Q:「成長期にはもっと働きたい」という若い層もいるのでは?
A:「そこは永遠の課題です。現在のマネジャーたちはハードワークで育ってきていますしね。しかし、本当に長い時間働いたから成長したのでしょうか?『違うよね、様々な経験を積んだからだろう』と。では今、どこで経験を積むのがふさわしいのか、ということです」
「これだけ情報にあふれ、変化が激しいと、異なる人たちの意見を取り入れないと新しいものは生み出せません。そういう時代ですから、会社で目の前の仕事に没頭することも時には必要ですが、それ以上に幅を広げて多様な経験をしてほしいのです。そのほうが将来の自分の成長にも、さらにはチームの成長にもつながる。そう考えています」
---------------------------------(引用ここまで)
新たなテクノロジーの活用や業界横断といったテーマが増えてきている中で、効率的に仕事をし、空いた時間で自己研鑽を続けなければコンサルタントとして生きていけない時代になっていくのだと思います。
今回は3つのトピックをお伝えさせていただきましたが、ここ数年、コンサルティングファームの変化のスピードが速くなっており、知的好奇心を刺激する案件も増えてきているという実感があります。
コンサルタント未経験の方には、是非コンサルタントとしてのキャリアを検討いただきたいですし、現役コンサルの方にも別のコンサルティングファームを知っていただけたら幸いです。
少しでも興味をお持ちいただけましたら、是非気軽にお声がけください。
(2017年8月20日)