コンサルタント転職のこぼれ話
コロナ渦における転職市場と今後のキャリアについて

キャリアコンサルタント 入江 祥之

コロナ渦における転職市場と今後のキャリアについて

新型コロナウィルスの影響で在宅勤務となり、時間の余裕も出来たので今のうちに次のキャリアに向けたキャリア相談をしておきたいというニーズが増えてきました。
 
最近の面談の中では、コロナ渦の転職市場の動向に関する質問が多いので、今回は現時点(2020年5月)の転職市場の状況を纏めてみました。
 
・全体的に求人は減少傾向
・採用完全ストップの会社もあれば、一部の求人のみ継続採用の会社もあり
・募集は継続するが採用のハードルを少し上げる会社もあり
・特にベンチャーではキーポジション以外は慎重な会社が増えている
・一部フォローウィンドウが吹いている業界は積極採用
 ※医療、デリバリー宅配、オンラインツールなど
・大打撃を受けているのは、外食、交通インフラ、旅行、宿泊など、人の移動が伴う領域
・キャッシュに余裕があるところは敢えて逆張りで積極採用する会社もあり
 
ざっと要点を纏めると、現時点では上記のような現状です。
 
また、よく比較されるのが2008年から2009年にかけて経済が大きく低迷したリーマンショックですが、当時と比較すると現時点での求人における影響度合いはかなり低いです。
 
ただ、リーマンショックを超える可能性があるという方もいらっしゃいますし、今後の緊急事態宣言の延長次第では更に悪化する可能性もございます。
 
この数年、特にベンチャー界隈ではVCや大企業から多額の資金が集まり、ややバブルのような状況が続きましたが、今回のコロナショックでスタートアップに流入する投資マネーが先細り、キャッシュの重要性が高まるので、一旦、慎重な採用スタンスになるところが増えそうです。
 
そして、ベンチャーに限らず、優勝劣敗がはっきり分かれるかもしれません。
 
また、巣篭もり消費は一時的なニーズかもしれませんが、リモートワークや医療×デジタルなどに関しては、人々の生活スタイルや移動の仕方が根底から変わるきっかけになったので、この1、2年で新たな常識が生まれるかと思います。
 
JR東日本の初の赤字や、バフェット氏が「世界は変わる」と言って航空株を全て売却したニュースは象徴的でした。
古い商習慣の生命保険業界でも対面型の営業に拘らなくなり、日本でも印鑑が無くなる日がそう遠くない日に実現されるかもしれません。働き方の面では都心に住まずに遠隔で働く人が増えるかもしれません。
 
きっと一部の領域ではコロナ前の元の世界には戻らなくなるので、その先を見越したキャリアを考えるのが良いかと思います。
 
リーマンショック時は経済全体が低迷した為、ほぼ全業種で採用が止まりましたが、今回は業種や個別企業においてニーズが異なりますので、具体的な求人情報を知りたい場合はご連絡いただければと思います。
 
緊急事態宣言の期間が長期化するとリーマンショックのような状況になってしまうかと思いますが、少しでも早くコロナの感染が収まることを願っております。
そして、何よりも健康第一ですので、くれぐれも健康には気をつけていただければと思います。

(2020年5月20日)
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