コンサルタント転職のこぼれ話
転職・キャリアを考える上でお勧めしたい書籍②

キャリアコンサルタント 永田 憲章

転職・キャリアを考える上でお勧めしたい書籍②

今年2月に「Industry Co-Creation(ICC)サミットFUKUOKA 2019」へ参加してきました。
 
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る」ために参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスで、日中は複数のセッションに参加し、夜はネットワーキングパーティーで参加者同士が交流するというプログラムになっています。
 
初日のセッション「教えてほしい!経営とアート」において、コーン・フェリーの山口周氏がパネラーとして登壇されていて多くの示唆や刺激をいただきました。
 
その後、山口氏が、「仕事選びのアートとサイエンス不確実な時代の天職探し」という本を上梓されることを知り購読したところ、是非多くの方に読んでもらいたいと感じる内容でした。
 
私が上記の本をお薦めする理由はたくさんありますが、「計画の持つ価値がどんどん目減りしている現在において、キャリアという長期にわたる営みをどう捉えるのか」が論じられていて、それだけでも十分に読む価値があると感じます。
(例えば、1999年当時の文系大学生の就職ランキングのリスト上位50社のうち、14社の社名は合併や破綻によって今は存在していない、という衝撃的なデータも記載されています)
 
 
更に、以下の点も本書の大きな価値と考えます。
 
●キャリア理論という武器を得られる
●リベラルアーツのパワーを体感できる
●戦略コンサルティングファームについて深い理解を得られる

 
 
それぞれ補足すると、1点目について
 
・スタンフォード大学の教授ジョン・クランボルツ氏による
「計画された偶発性=プランド・ハプンスタンス・セオリー」
 
・マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院教授エドガー・シャイン氏による
「キャリア・アンカー」
 
・ウィリアム・ブリッジス氏による「トランジション(終焉→中立圏→開始)」
 
というキャリア理論が紹介されています。
 
私達キャリアコンサルタントも、ご面談やその後のご支援の中で、上記をお伝えすることがありますが、本書では、これらの理論を踏まえて、日々どのような考え方で過ごしていくべきか、などの具体的なヒントを得られ、理論を理論で終わらせていない点に大きな意味を感じます。
 
 
2点目について、昨今、リベラルアーツの重要性がますます問われています。
 
※弊社代表のダイヤモンド・オンラインのコラム
『一流を目指すビジネスパーソンが忘れがちな「学習」とは(https://diamond.jp/articles/-/197096)』でもリベラルアーツをテーマに書いているのでお時間ありましたらご覧いただければと思います。
 
一方で、リベラルアーツがどのように有効なのか分かりにくいという方もいらっしゃるかもしれませんが、本書をご覧いただくと、至るところにリベラルアーツがちりばめられていて、そのパワーを間違いなく感じられると思います。
 
ただリベラルアーツを学ぶのではなく、その活用方法を知った上でリベラルアーツと日々の仕事を結びつけながら学んでいくと学習の効果は増すと感じます。
 
 
3点目について、山口氏は電通、スタートアップ企業を経て、ボストン・コンサルティング・グループへ中途入社されています。
 
山口氏が、ご自身の実体験も踏まえて、戦略コンサルティング業界の仕事の特性やどんなパーソナリティの方がフィットするかなどについて洞察されています。
 
戦略コンサルティングファームに興味がある方にとっては、一般的な書籍には書かれていない知識が得られるなど、とても参考になるはずです。
 
 
本書の魅力はまだまだ語り尽くせませんが、私のつたない文章をご覧いただくよりも「百聞は一見にしかず」ですので、関心をもたれた方は読まれてはいかがでしょうか?

(2019年4月22日)
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