コンサルタント転職のこぼれ話
生成AIとコンサルの未来 ― コンサルはAIに職を奪われるか、AIを武器に価値を高めるか

キャリアコンサルタント 太田 涼

生成AIとコンサルの未来 ― コンサルはAIに職を奪われるか、AIを武器に価値を高めるか

最近、ある戦略ファーム出身の方とお話ししたとき「コンサルティングはAIによって価値を大きく揺るがされるんじゃないか」という相談をいただくことがありました。
この話題は若手だけではなく、百戦錬磨のパートナーの方からもご相談いただくことがあります。

数十ページの資料を手動で作っていた時代は、今や過去のもの。生成AIを使えば、問い方次第で課題を整理し、プレゼン資料も一瞬で出来てしまう時代になりました。これまで年数をかけて経験を貯め、身につけてきた「コンサルタントの仕事」が、AIの進化によってコモディティ化しつつあるのです。

しかし、一方でこんな声も聞きます。
「生成AIがあるからこそ、人間の思考の深さが問われるようになった」
アウトプットのスピードはAIが補ってくれる時代だからこそ、「何を問うか」「どんな仮説を立てるか」「どこまで探るか」、そんな「思考のデザイン力」がより高度に求められるようになっています。

この変化は、コンサルを奪うだけではなく、強化するきっかけにもなります。
問題起点を見いだす力、クライアントの未来を想像し、新しい意味を仕組む力。それらは、まだAIには担えない、人間ならではの本質的な価値です。
 

生成AIが変える「コンサルの仕事の定義」

生成AIの進化によって、コンサルの仕事の中でも「AIに任せられる領域」と「人にしか担えない領域」が、より明確になってきました。

コンサルの仕事は、単に調査をして資料を整え提案するものではありません。
そのプロセスの一部は、すでにAIによって補完・代替が進んでいます。

では生成AIが担えない領域は何か。それは、前提条件を疑い、思考の枠組みを組み替え、未来に向けた選択肢を構造的に提示する、といったより抽象度の高い思考です。AIは大量の情報処理に長けていますが、「問いそのもの」を定義する力は、まだ人間にしかできません。

「考える」仕事の中身が、より抽象化・構造化にシフトする中で、私たちは「何を武器にするか」をアップデートし続ける必要があるのです。


「AIでもできる仕事」に留まっていると危ない

実際に、AIを駆使して価値を出しているコンサルタントたちは、AIを単なるツールとして見ていません。AI×ビジネス戦略を考えるためには、最低限以下の2点が自身にインストールされていることが重要です。

・AIはあくまで手段である(でしかない)ということ
・「AIは何ができて何ができないか/何が&得意で何が苦手なのか」を正しく理解していること


この2点を満たしているか否かで、自分自身とAIを差別化できるかに大きな差が生まれ、結果として「AIに職を奪われるコンサルタント」と「AIを使いこなし、市場価値を高めるコンサルタント」に分かれていきます。

結局、「AIでもできる仕事」しかしていないのなら、いつかその仕事は奪われます。

「AIを使う側」に回って、どう使いこなすか、どうビジネスを育てるのか、その戦略まで描ける人なら、むしろ未来の市場価値は大きく高まっていくはずです。

変化を前提にキャリアを設計する時代へ

技術革新によって「変わらない仕事」はますます少なくなり、変化に適応できる人ほど可能性が開かれる時代です。生成AIという強力な道具が登場したことで、キャリアの「伸びしろ」は自分の捉え方次第でいくらでも広がるようになりました。

私たちキャリアコンサルタントも、変化にゆれ動くみなさんの近くで、AI時代のキャリアを考える一社になれればと思っています。今の仕事やロールに少しでも不安や疑問を感じている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


(2025年7月22日)
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