アクセンチュアが卓越したバリューを出し続ける秘訣とは?

Vol.10

アクセンチュアが卓越したバリューを出し続ける秘訣とは?

アクセンチュア株式会社

素材・エネルギー本部Y.W.氏

経営コンサルティング本部D.S.氏

公開日:2013.10.4

インタビュアー 入江・永田

Message

多様なバックグラウンドを持つ中途入社者が活躍する自由な社風

入江
まず、これまでのご経歴について教えてください。
D.S.
2000年に新卒で大手国内シンクタンクに入社し、大手流通企業向けのシステム構築に従事していました。その後、早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得し、アクセンチュアの戦略グループに入社しました。
Y.W.
私は1998年に外資系コンサルティングファームに入社しました。その後、組織の変遷などがありましたが、同社にて十数年仕事をした後、2011年にアクセンチュアへ転職しました。担当してきた業界は電力業界が中心です。
入江
D.S.さんはなぜ、MBAを取得されたのですか。
D.S.
当時、経営にはIT以外の要素がたくさんあることを痛感していました。ちょうどその頃に読んだ『現場力を鍛える』という本に「現場を起点として競争力を身に付けないと企業は強くならない」というコンセプトが書いてあり、著者の遠藤功先生(アクセンチュア出身で現在ローランド・ベルガー会長)のもとで勉強したいと思いました。
入江
MBAを取得後、なぜアクセンチュアを選ばれたのでしょうか。
D.S.
前職時代にグロービスの講座に通っていたのですが、当時アクセンチュアのエグゼクティブ・パートナーだった田村誠一さんが講師を務められていて、「こんなに頭の切れる人と一緒に仕事ができたら面白い」と思ったことがきっかけです。それから、遠藤先生からノーロジックで「お前はアクセンチュアが向いてそうだ」と言われましたことも後押しになりました(笑)。
入江
Y.W.さんはなぜ、アクセンチュアへ移ったのですか。
Y.W.
最初のきっかけは、当時の素材・エネルギー本部長と話をする機会があって、電力・ガス業界のチームをこれから強化するので、よかったら来ないかと誘われたことです。実は前職時代に電力・ガス業界のチームの立ち上げに従事したことがあったのですが、あともう少しで立ち上がるというタイミングで組織の変更があり、話が立ち消えになってしまったんです。その気持ち悪さがずっと自分の中に残っていたので、じゃあやってみようと。
永田
会社の選択という点では、どんな魅力をアクセンチュアに感じましたか。
Y.W.
一口に外資系といってもさまざまで、異なる国の拠点が連携し合ってまさに一つの会社のようにオペレーションされている組織と、各国の拠点がそれぞれに看板を借りて比較的ローカルの閉じた世界でビジネスを展開している組織があります。アクセンチュアは前者で、グローバルで密接に連携している点が魅力でした。というのは日本の電力業界は今変革の時期を迎えており、多くのお客さまが海外における事例や先進的なソリューションに興味を持たれており、海外の知見がないと勝負にならないからです。

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顧客を第一に考え、顧客の期待を超えるアウトプットを追求し続ける組織文化

永田
中途入社されて、アクセンチュアにはどんなカルチャーや風土があると感じますか。
D.S.
わかりやすい表現でいえば、アクセンチュアは狩猟民族、前職は農耕民族のような違いがあって、カルチャーの面でも仕事の仕方でもかなり違いがあります。個人的には、狩猟民族系のタイプがアクセンチュアに合うと思います。
入江
確かに、アクセンチュアでは、何かやりたいことがあって、その自己実現のためにアクセンチュアを利用する位のタイプのほうが合うように感じますね。Y.W.さんは入社されて、どんな印象を受けましたか。
Y.W.
実は入社する前はそれほどよい印象は持っていませんでしたが、実際に転職してみると懸念していたことは払しょくされ、当たり前のことを当たり前にやっている会社でした。中途採用で入社するとやりづらさがあるかと思いましたが、そんなこともありませんでした。プロジェクトに入ったら120%お客様のことを考えて、限られた期間のなかでどんなアウトプットを出すかということだけに集中できる。そんな環境があるので、非常にやりやすいと感じています。
入江
Y.W.さんは前職も外資系企業でしたが、カルチャーの違いは感じますか。
Y.W.
前職はどちらかというとカルチャーが日本企業よりでした。最近は制度変更や徹底したコスト削減などに取り組んでいると聞きますが、組織文化には年功序列の色彩が残っており、階層がしっかりしていて所属部門もきちんと決まっています。さまざまな部署から人が集まりプロジェクトが遂行されるのはアクセンチュアと一緒ですが、前職ではプロジェクトマネジャーと同じくらい組織の所属長が権限を持ち、個人の評価に関わります。一方、アクセンチュアでは所属部署は当然あるもののそれほどかっちりした枠組みではなく、評価は同じプロジェクトに関わる人間によって行われます。ですから、ほとんど顔を合わせたことのない人にいきなり評価を下されびっくりする、というようなことはあまり起こりません。両社とも相対評価なのは同じですが、アクセンチュアは自分が高い評価を得るために努力し続けるカルチャーが強いと感じます。相対評価は全員が期待以上のパフォーマンスを出しても相対的な順位が付けられる厳しさがありますが、皆、それをきちんと理解したうえで努力しています。
D.S.
評価はとても真面目に、かつ公正に行っています。マネジャー以上が集まって、「この人はあの人よりも上」と全員の評価を並べ、1位から順位をつけていくのですが、丸一日かけて話し合うこともあります。
Y.W.
1年のうち評価にかける時間はかなり多いですね。評価でその人のアクセンチュアにおけるすべてが決まっていきますから。
D.S.
本当に人生が変わりますからね。評価は真面目にやらなければいけない。
永田
最近のコンサル業界は以前ほどアップ・オア・アウトではなくなっているとの話も耳にしますが、実際はいかがですか。
D.S.
従来、コンサルティングの世界では「プロジェクトはゼロベースで考える」とよく言われましたが、そのため例えば3か月のプロジェクトでたどり着く答えは、その業界の人なら誰でも知っているような内容にしかならなかったりします。ところが今のクライアントが求めているのは「サプライチェーンを10年やってきて、この分野なら何でも語れます」といった専門家が3か月考え抜いた先にあるものであるように思えます。ゆえに、専門性の蓄積が必要なわけです。それに応じてコンサルティング業界も変化してきているわけですが、アクセンチュアはこの点でも先を読んで上手く対応していると感じます。

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顧客から評価される「スピード感」と「コミットメントの強さ」

入江
同業他社と比べ、アクセンチュアの優位性やコンペティションで勝てる理由はどこにあるとお考えですか。
D.S.
いま、アクセンチュアは同じお客様と長くお付き合いする継続案件が多くなっています。そうなると顧客企業の方よりも我々のほうがその分野に詳しくなり、自社でやるより我々に任せたほうが早く確実にできるし、他のファームがやるより答えにたどり着きやすいという状況になります。
Y.W.
本質的にはお客様に「アクセンチュアと一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるかどうかがカギで、我々が持っているアセットやナレッジに魅力を感じていただいていることですね。他社との比較評価をお客様におうかがいすると、スピード感や仕事に対するコミットメントの強さが評価されています。「本当に困っているとき、急いでいるときでもきちんと対応してくれるので、アクセンチュアとの仕事は安心感がある」とお客様からお伝え頂いています。
入江
そういう企業文化はどうやって醸成されているのでしょうか。
Y.W.
入社してすぐ印象に残ったのが、新卒から入社5年未満くらいの人たちの働きぶりの凄さでした。社会人になって最初の数年間で身に付ける生産性やスピード感は非常に重要です。その集合体としてアクセンチュアのカルチャーが作られていて、それこそがアクセンチュアならではの強みであると経営トップも強く認識しそのカルチャーを維持し続けることを推奨しているので、5,000人規模の組織になってもスピードや強いコミットメントという文化が維持され続けているのだと思います。
D.S.
アクセンチュアの人は「バリュー」という言葉が好きで、「このペーパーにバリューはあるのか?」、「今日一日の働きにバリューはあったのか?」という風によく言われ、共通言語になっています。つまり、バリューを出したか否かがこの会社での存在価値を決めるということであり、そこにアクセンチュアの企業文化があらわれています。プロフェッショナルファームは価値を出せなくなったらアウトであり、その覚悟がないならば居る必要はないという位のニュアンスで新入社員にも話していきます。アクセンチュアの社員が作成したコンサルタントの心得書には、「コンサルタントはマンガのブラックジャックと一緒」という話が載っています。要するに、資格のあるなしではなく、腕一本でお客様から高額の報酬を得るのがプロのコンサルタントだと言われるんです。そして、それを体現しようとしている先輩たちが身近にいますから、自ずと社員もそこを目指しますようになっていくのだと思います。
入江
日々使われている共通言語が社員の魂に植え付けられ、かつベストであり続けなければならない環境に置かれることで鍛えられるようにも感じますね。

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アクセンチュアで充実したキャリアを送れる人とは?

永田
どんな人が他のコンサルティングファームからアクセンチュアに転職すると、充実したキャリアを送れると思いますか。
D.S.
自分自身のこととして考えると、5年先、10年先のことはわからないし、死ぬ前に人生を振り返ったとき「アクセンチュアへの転職は間違っていたな…」と思っているかもしれない。だから他人にどうこう言えることはありませんし、部下に対しても「会社に居続けろ」とも「辞めろ」とも言いません。そのかわり「自分の生き様をちゃんと考えろ」とはよく言っています。長い人生のなかでどんなことをやりたくて、そのために現在のステップで何をすべきか考えろ、と。何をしたいかは人それぞれでしょうが、そういうことを考えて働いている人は成功する確率が高くなるのではないでしょうか。
入江
アクセンチュアが、起業家や企業の役員を輩出しているのは、そんな風に自分が将来ありたい姿を持っている方が多いからなのでしょうね。Y.W.さんはいかがですか。
Y.W.
同じ会社にずっと勤め続けていると、仕事をする相手がほぼみんな知っている人ばかりになり仕事がやりやすくなる反面、社内の管理が業務の主体となり現場から遠くなっていく疎外感や「このままぬるま湯に浸かっていていいのか?」といった自分自身への疑問に直面する時期がくると思います。明確な目的があればベストですが、そうでなくとも、もうワンチャレンジ、ツーチャレンジしたいという気持ちのある人にとって、アクセンチュアには渇望感を満たすだけの仕事があると思います。逆に言えば、安定したいと思っている人には向いていません。あと、まったく次元の違う話ですが、自分で仕事を取ってこられる人のほうが間違いなく働きやすいです。
入江
お二人はアクセンチュアのどのようなところが好きですか。
D.S.
社員が真面目です。派手な人もいますが根はすごく真面目で、物事に対してとても真剣で、リスペクトできます。やりますと言ってやらない人はいないし、とことんやってくれます。
Y.W.
損得勘定抜きで色々な人が助けてくれますね。困ったとき、上でも下でも隣りでも遠くでも関係なく相談にのってくれますし、海外にメールを打てば、次の日にはあらゆる人に拡散されていて、多くの返信があります。また、海外拠点のマネジメントが日本に来る際、よくある外資系のケースでは、来年の数字はどうなっているか、もっと数字をあげてこいと言われると思いますが、アクセンチュアでは社内で数字の話もするものの、お客様のところにしっかり行きます。他社ではマネジメントになればなるほど現場から遠ざかり、お客様のところに行きたがらない人が多くなるように思いますが、アクセンチュアのマネジメントはお客様とのつながりを大事にしていて、アクセンチュアが何をやっているかを伝えたくて仕方がない。役職は関係がなく、どこまで偉くなっても、お客様のことを第一に考え、お客様に会うことに喜びを感じていて素晴らしいと思います。
入江
最後に、「こんな人と働きたい」というメッセージをお願いします。
D.S.
アクセンチュアはいまや5,000人規模の大企業となり、最近は優等生が多くなってきている気がします。真面目に勉強しているけど何かつまらないタイプが増えた感があるので、少々変わっていても尖っている人と仕事がしたいですね。
Y.W.
人材が画一的になるということはダイバーシティが失われるということであり、突然変異のような存在を抱えていないと組織として次のステージには行けません。我々も居心地のよい殻の中にこもったまま変化しなければ、自覚のないままに衰退してしまいます。組織に刺激を与え、変化を促すような人たちに入って来てほしいと思います。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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