不完全な情報の中で意思決定する。戦略と実行を同時に回していく。コンサルタントでは味わえなかったエキサイティングな経験の連続。 不完全な情報の中で意思決定する。戦略と実行を同時に回していく。コンサルタントでは味わえなかったエキサイティングな経験の連続。

Vol.31

不完全な情報の中で意思決定する。戦略と実行を同時に回していく。コンサルタントでは味わえなかったエキサイティングな経験の連続。

楽天株式会社

グループ執行役員 ECカンパニー企画部部長 兼 C2C事業部部長松村 亮氏

コンサルタントでは得がたい、真のリーダーになるための力を日々鍛えている。
入江
松村さんのお話ですと、それまでご自身が得られなかったものが楽天にあるとお考えになられたとのことですが、具体的にはどのようなことなのでしょう。
松村
前職のコンサルタントで手がけてきたのは、主にリアルなビジネスを営む大企業に向けて、戦略立案から実行まで各フェーズをシーケンシャルに進めていく案件でしたが、面接で話をうかがうと、楽天が手がけるネットビジネスはサイクルがものすごく早く、売上や利益の状況に応じて、中長期の施策とともに、デイリーベース、アワリーベースで課題を捉えてアクションを打っていくような世界なんです。戦略立案と実行がよりシンクロしていて、投資を決めて回収まで10年、20年間待つような重厚長大な事業とは大きく異なります。私はコンサルタント時代、「ビジネスは科学のみ」と思っていて、例えば、ミンツバーグ(経営学者)が説く「ビジネスマネージャーは科学的な根拠に基づいてディシジョンメイキングするだけではなく、その上で+αの感覚をもって判断する」という経営のアート的な要素など全くピンとこなかったのですが、楽天は常に不完全な情報の中で意思決定しているんです。そうしなければこの業界では事業のサイクルについていけず、競争に勝てない。それは、これまでの自分のキャリアで身につけてきたスキルやケイパビリティにはないものでした。ファクトをトコトン分析して意思決定することはファンダメンタルとして普遍的にとても重要なことは言うまでもありませんが、同時に不完全なものでもその時にあるベストな情報やEducated Guessをもとに責任を持ってジャッジできる「+αの力」や「胆力」がないと、おそらくこうした実業の世界でリーダーは務まらない。そう考えて、ここに参画しようと決意したのです。
入江
楽天に入社後は、どのような業務をご経験されてこられたのですか。
松村
最初に配属されたのは社長室で、そこは私のようなコンサルタント出身者や投資銀行出身者などが集い、さまざまな経営課題に取り組むチームでした。入社後1年目は国内での新規事業の開発や、成長が停滞している既存事業の再構築などに携わり、そして2年目はアメリカに渡ってリージョナルヘッドクォーターの立ち上げを担いました。ちょうどアメリカで大規模な企業買収を立て続けに実施していた時期で、米国全体で事業をマネジメントしていくストラテジックな機能が必要とされており、その土台づくりに従事し、また並行して現地企業との提携などのディールにも関わりました。それが一段落した頃、社長の三木谷から突然連絡が入り、楽天市場の事業企画のために帰国するようにと指示を受け、現在は企画部門の責任者を務めています。楽天市場は2020年に10兆円の流通金額を目標に掲げており、そのためには成長カーブを、さらに鋭いものにしていかなければなりません。その目標へ向けて現在、三木谷をはじめ役員たちと毎月合宿をして議論を重ねており、そこで導き出された戦略を、事業部全体を俯瞰しながら現場をコーディネートし、実行に移していくことがいまの私のミッションです。
入江
たいへん濃密なキャリアを送っていらっしゃいますね。経営コンサルタントから楽天に転身されて、ギャップをお感じになられたことはありませんでしたか。
松村
楽天で求められるのは、不確実な要素がたくさんある中で走りながら戦略を立てて実行し、そのサイクルを高速で回していくこと。完璧なレポートを作ってエグゼクティブを説得し、それから実行に移していくという経営コンサルティングの仕事とは異なる部分もあり、やはり当初はとまどいましたね。また実行段階においても、コンサルタント時代もチームを持ってプロジェクトを動かしてはいましたが、メンバーはせいぜい数名から大きなプロジェクトでも10名程度。いまは100名ほどの企画部やジャンル戦略のチームをマネジメントする立場であり、組織を動かすドライバーが全然違うため、その要諦を掴んでチームを率いるのもチャレンジングですね。さらに、提携やJVなど、外部企業との交渉に関わる機会も多いのですが、コンサル時代にM&AのデューデリジェンスやPMIは何度も携わったものの、交渉の場に自ら臨むことはありませんでした。しかし、ここでは自ら矢面に立つことになります。米国でも実現まで至らなかったものも含めて、様々な交渉で当事者として前面に立ってきました。対峙するのはグローバル企業の百戦錬磨のリーダーシップやシリコンバレーの強烈なアントレプレナーで、なかなか一筋縄にはいきません。しかし、そうした場を自ら経験することで、交渉というのは合理だけでは進まず、エモーショナルな部分やタイミングなどの駆け引きも非常に大事だということをリアルに学びました。様々なギャップに直面しつつも、逆にそれが私にとってはエキサイティングです。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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