日本の産業に流動性を。コンサルタントでは果たせない、「世の中へのインパクト」を求めて。 日本の産業に流動性を。コンサルタントでは果たせない、「世の中へのインパクト」を求めて。

Vol.21

日本の産業に流動性を。コンサルタントでは果たせない、「世の中へのインパクト」を求めて。

リンカーズ株式会社

代表取締役CEO&ファウンダー前田 佳宏氏

コンサルタント経験を活かし、世の中を変えるプラットフォームを創る。
入江
そうして、Issueを考え続けた前田さんが辿りついたSolutionが、ビジネスマッチングプラットフォームの“Linkers”なのですね。
前田
ええ。日本の産業界の課題を探った時、商品企画に成功してもそれが量産に至るケースがきわめて少ないということに気づきました。大手企業でさえ率にすると5%ほどに過ぎない。なぜかと言えば、アイデアを形にするための最適なパートナーが見つからないから。たとえば、全国にモノづくり企業はいま46万社ほどありますが、大手企業が難度の高い開発商品を企画し、それを担える板金加工メーカーを探そうとしても、条件にぴたりと合う企業はほんの数社しか存在しないことがほとんどです。そうしたモノづくりのパートナーというのは、ネット検索や展示会ではまず巡りあえない。ならば、そうした全国のモノづくり企業が持つ技術を網羅してオープンにし、そこでマッチングが図れる場を設けたいと考えたのですが、実際に500社ほど回って話を持ちかけてみると、ほとんどの企業が「技術が盗まれるから」とオープンにすることを拒むんですね。
入江
なるほど、中小企業に技術をオープンにしてもらうのは難しいと。そうした壁を前田さんはどう乗り越えられたのですか。
前田
私が注目したのは、各地域の中小企業の経営支援や営業支援に携わり、長年にわたって信頼を築いている、各地の産業支援機関や大学の専門家人材の方々。そうした地元の企業を熟知しているコーディネーターを介して、パートナーとなる優秀な中小企業を発掘していく仕組みを構築し、クローズドなネットワークの中でマッチングを図ればいいのではないかと考え、立ち上げたサイトが“Linkers”なのです。
入江
世間からの“Linkers”に対する反応はいかがですか。
前田
この“Linkers”は、発注者で大手企業、受注者である中小企業、そしてその間に立つコーディネーターと、ステークホルダーすべてにメリットがあるプラットフォームで、まだ立ち上げて1年ほどですが、すでに100件に及ぶマッチングを成功。最近では海外企業からも「日本で開発パートナーを探したい」というオファーが寄せられています。数年後にはコーディネーターが持つ中小企業に関する知見をデータベース化し、人工知能を用いて大企業と中小企業が自動的にマッチングを図れるシステムも実現したいとも考えています。そうすれば世の中にインパクトをもたらすようなイノベーションが次々と生まれてくるでしょうし、また、ゆくゆくはこの“Linkers”で発掘された選りすぐりの中小企業を束ね、いわば「日本モノづくり株式会社」として海外に売り込んでいきたい。世界企業から「ここに頼むと何でもできる」という評価を得て、実績が上がっていけば「地方の強い中小企業」の周辺にも波及し、地域全体の経済が活性化していく。それこそ真の地方創生につながっていくのだと思っています。
入江
本当に素晴らしいビジョンを掲げていらっしゃると感じます。いまこうして事業が軌道に乗りつつある前田さんですが、かつてのコンサルタント時代の経験は活かされていますか。
前田
私はコンサルタントの仕事に対して否定的な発言をしましたが、コンサルタント時代に得た経験はとても重要だと感じています。ロジカルシンキングなども前職で徹底的に鍛えられましたし、さきほど触れた“GISOV”というフレームワークも私のベースになっています。いまは“O”はもちろんのこと、その先の“V(Value)”まできちんと意識し、“GISOV”が当社の基本になっています。メンバーのマネジメントもこのフレームワークに則っています。
入江
コンサルタント出身者は「起業」できる力を十分に有しているということですね。
前田
コンサルタントのみなさんの中には、「世の中に大きなインパクトを与えたい」「日本をより良く変えたい」という思いを持っている方がおそらくたくさんいらっしゃるのではないかと思います。コンサルタントいうのは、社会抱える課題をリアルに実感できるポジションにあります。私自身も、起業の種をコンサルタント時代に見つけました。仕事をするからには、世の中に付加価値を与えないと意味はないと思いますし、そもそもつまらない。コンサルタント出身者はもっともっと起業すべきだと私は思いますし、高い問題意識を持って世の中を変えるプラットフォームを創り出していく、そんな事業家が一人でも多く誕生してほしいですね。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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