日本の産業に流動性を。コンサルタントでは果たせない、「世の中へのインパクト」を求めて。 日本の産業に流動性を。コンサルタントでは果たせない、「世の中へのインパクト」を求めて。

Vol.21

日本の産業に流動性を。コンサルタントでは果たせない、「世の中へのインパクト」を求めて。

リンカーズ株式会社

代表取締役CEO&ファウンダー前田 佳宏氏

太陽光発電事業に関わって感じた、日本の産業界全体が抱える課題。
入江
コンサルタントとしてキャリアを重ねていた前田さんが、起業に踏み切られたのはどのような経緯からですか。
前田
NRIで太陽光発電事業に関わっていた時、そこで業界内で流動性がまったくないことに気づき、強く問題意識を抱くようになりました。たとえば川上の素材やモジュールのメーカーは、川下のシステムのことやファイナンスのことにまったく通じていない。太陽電池とモニタリングのシステムを組み合わせれば、最適な発電ができる優れたソリューションが実現できるのに、川上と川下の間に人材の流動性がないのでそれが果たせない。結局、単に太陽電池単体を売るだけで付加価値が出ない状況に陥っている。次第に、これは太陽光発電業界だけの課題ではなく、日本の産業全体が抱える課題ではないかと感じるようになったのです。
入江
確かに、日本は欧米に比べて人材の流動性が乏しいように思います。
前田
そうなんです。アメリカなどは、バリューチェーンの中で情報が行き交っていて、川上から川下へ転職する人材も多く、全体が最適化されているんですね。たとえば、太陽電池を製造しているメーカーが自らプラントの運営に乗り出し、売電してリターンを得るのも当たり前。どこのバリューチェーンが儲かるのかがきちんと見極められている。そうした点ではやはり日本は遅れていると思います。昨今注目されているIoT(モノのインターネット)もそう。この分野でも進んでいるのはアメリカとドイツであり、日本は遅れている。それはバリューチェーンが閉鎖的だからで、モノの人はモノ、システムの人はシステムにとらわれていて、そこに流動性がないのです。
入江
コンサルタント時代に感じたそうした問題意識が、前田さんを起業に導いたと。
前田
ええ。学生時代から「起業したい」という志はありましたし、先ほどもお話ししましたように、私は「世の中に大きなインパクトを与えたい」と常に考えている人間なので、これはぜひ自らの手で日本の産業に流動性をもたらしたいと、このリンカーズを立ち上げました。
入江
リンカーズを設立されてから、これまでどのような取り組みを行われてきたのですか。
前田
まず日本の産業の流動性を高めるために、さまざまな業界のバリューチェーンをオープンにしようと、300ほどの業界のバリューチェーンを調査分析して「見える化」しました。そしてSNSを開設し、バリューチェーン内の人材のコミュニケーションの活性化を図ろうとしたのですが、これはうまくいきませんでした。そこで、人でなく企業の技術をここに登録してもらえば、面白いマッチングができるのではないかと考え、中小企業向けのBtoBの WEB上の展示会場“eEXPO”を企画。個人的にも東北地方の震災復興支援に携わりたいという思いがありましたので、それを携えて東北経済連合会に飛び込みでアプローチしたのです。先方にも気に入っていただき、1年ぐらいかけて東北地方の500社ほどを訪問して登録していただきました。
入江
起業後は順調でしたか?
前田
いえ、この“eEXPO”もなかなかマネタイズが難しく、しばらくは苦労しましたね。1年半ぐらい、暗いトンネルの中をさまよい続けていました。
入江
そうした苦しい時期をどう突破されてこられたのでしょう。
前田
常に悩み続けて、諦めずにやる。それに尽きますね。私は付加価値のない仕事をするのが本当に嫌で、他人と同じ仕事をするのが許せない体質なのです(笑)。「日本の産業を変えたい」というGoalは明確でしたから、そこに向かうためのIssueは何かを絶えず懸命に考え続けました。Issueが適当だと、価値のあるSolutionには結びつきませんから。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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