私がコンサルティングファームで学んだこと、アマゾンのマネジメントで実践していること。 私がコンサルティングファームで学んだこと、アマゾンのマネジメントで実践していること。

Vol.03

私がコンサルティングファームで学んだこと、アマゾンのマネジメントで実践していること。

アマゾン ジャパン株式会社

バイスプレジデント メディア事業部門長渡部 一文氏

コンサルタントから事業会社のマネジメントへ
入江
コンサルティング会社に6年在籍された後、今度はGE、そしてアマゾンと転職されていきます。コンサルから再び事業会社に移られたのはなぜですか。
渡部
コンサルタントはお客様にレコメンデーションを行いますが、それが実行されるかどうかはお客様の内部の判断になります。当時、通信事業に異業種参入したある大手企業から事業成長戦略の策定を依頼されたことがあります。最終的な私たちのレコメンデーションは「通信事業からの撤退」でした。激しい価格競争、技術変化の激しさの中で、継続的な投資を行い競合他社に太刀打ちすることがいかに困難であるかを常務会でプレゼンをしたら「多額のお金を払って事業をどう伸ばすのかをレコメンデーションしろと頼んだのに、なんていうことを言うんだ」と一時は騒然となりましたが、数年後にその事業は売却されました。しかし、コンサルタントがレコメンデーションした事実は公にされることはなく、売却までのプロセスにも関与できませんでした。レコメンデーションしたことを自分で実行したらどんなことが起こるのだろうか……。もっと違う実行の仕方をすればちゃんと儲かる事業になったのではないか……。そんなことを考えるうちに、事業会社に飛び込んで自分で事業を回したいという気持ちが強くなったのです。
入江
選択肢はたくさんあったと思いますが、そのなかでGEを選ばれた理由は何ですか。
渡部
最初の転職で学んだことですが、まず自分のスキルセットとのギャップがあまりにも大きなところに飛び込んで、右往左往して時間を無駄にしたくないと考えました。当時、ベインではプライベートエクイティファンド向けの企業買収にまつわる業務もやっていたので、方向性としてはM&Aのコンサルタントになるかファンドに行ってM&Aを手がける、という選択もあり得ました。しかし、別のコンサルティング会社やファンドに転職しても自分で事業を経営できる保証はありません。その点、GEは事業開発部と呼ばれるM&A部隊があって、ここならばコンサルタントとして培った自分のスキルを活かしながらGEというコングロマリットの中に入っていくことができ、どこかで事業運営をするチャンスをつかめるだろうと思いました。いくつかあった選択肢のなかでは給料は高いとは言えませんでしたが、次のステップとして非常に魅力的で、かつ自分の付加価値もすぐに出せそうなことがGEを選ぶ決め手でした。
入江
GEではどんなお仕事をされていましたか。
渡部
GEには6年いて、最初の三年間はGEジャパンの事業開発ディレクターとしてM&Aとアカウントマネジメントを担当していました。大手企業のカウンターパートナーとして、トップ同士の会談の段取りをつけたり、「貴社のこの事業売りませんか」「GEのこの事業買いませんか」と事業の売買を行っていました。ここではコンサルタント時代のスキルが活かせたと思います。その後、GEヘルスケアに移り、アジア全体のサービス部隊のマーケティング統括GMを担当させてもらいアジア中を飛び回っていました。
入江
そして2006年にGEヘルスケア・バイオサイエンス(現GEヘルスケア・ジャパン)の副社長に就任されました。経営者になるのはこれが最初ですね。
渡部
実は、この会社はもともとGEが買収した企業でした。買収直後にインテグレーションリーダーとして一度担当した企業で、今度は経営者として参画することになったのです。
入江
人のマネジメントは大変だと思いますが、どのように行っていきましたか。
渡部
この会社の規模は200人くらいでした。人のマネジメントでは、現在も行っていることですが、キーになるマネージャー達と毎週一対一でミーティングを行って、予め決めてあるキーメトリクス(指標)のレビューを中心に現状と見通しをデータに基づいて話してもらい、一緒に対策を詰めていきました。特に、「うまくいっていないことは何か」を聞いて一緒に原因を分析して、必要なら仮説を訂正し戦術や組織を調整していくことを繰り返す。それは自分が部下だった時、上司にやって欲しかったことでもあります。課長としてうまくやっていた人も部長になると以前とは当たるべき課題が変わりスキルギャップが生まれ、わからないことが出てきます。それに対して私は「わからなかったら一緒に考えよう」というスタンスで接していました。かなりハンズオンだと思います。
渡部
ご自身が経営に携わるようになって、業績は伸びましたか。
渡部
ここでは業績が下がりつつある事業をいかに建て直すかが課題でした。それは私のなかで一番大きなスキルセットでもあります。事業ライフサイクルの成熟期から衰退期を迎え、S字カーブが頂点から次第に下降する局面で関連する新しいビジネスに乗せ換えたり、リストラしたりしながら、新たな成長と高い利益率を確保する。そんな仕事をコンサルタント時代からたくさんやってきて、ここでも取り組みました。

※インタビュー内容、企業情報等はすべて取材当時のものです。

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