コンサルタント転職のこぼれ話
戦略ファームから総合ファームに移るのは本当に都落ちか?

2017年 3月 17日Author:入江 祥之

戦略ファームから総合ファームに移るのは本当に都落ちか?

最近、戦略ファームから総合ファームやブティック系ファームへの転職が珍しくなくなってきたように思います。この背景には総合ファームが業務、ITだけでなく、戦略コンサルティングのサービス強化を図りたいという意向が強くなっていることが挙げられます。
 
また、個人のキャリアという観点で見てみるとどうか?
 
これまでいくつかの総合ファームで戦略ファーム出身者のインタビューをさせていただきましたが、皆さん、とても充実しているように感じました。
 
転職とは何かしらの課題を解決するために行うものですが、お話を伺った方々は、例えば、以下のような理由で転職されていました。
 
 
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・戦略ファームで「何でも屋」的に幅広い案件をやっていると引き出しは多くなるが、もっと経営の難題を解決できるようになるため、総合力が問われる事業再生でプロを目指したいと思った。
 
・戦略ファームでは新規事業開発の案件をいくつも手掛けたが、本当の意味でのイノベーションを創造することは難しいと思った。
 
・3ヶ月間程度の短期プロジェクトを幾つもくるくる回していても、ガツンとインパクトを残すことは難しいと思った。
 
・メーカーを支援する中で、海外では国を巻き込みトップセールスを巧みに使って海外に都市インフラを売り込んでんでいるのに比べ、日本はそれが出来ていない。もっと政策や国際機関と絡む仕事がやりたい。
 
・そもそも外資系戦略ファームでは「外資」という制約があるので、国の重要政策に絡むことはできない。
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また、最近では、戦略ファーム出身者が立ち上げているブティック系ファームで、自己投資、自社内でのスタートアップの立ち上げ、事業運営を行なっていて、第三者的なアドバイスだけでは物足りない人達にとって魅力的な環境を整えたファームも増えてきています。
 
戦略ファームから転職する場合、職位が上がることも多く、責任や権限の範囲を広げ、自らチームを率いたり、自ら新たなサービスを立ち上げる方も多くいらっしゃいます。
 
外資系戦略ファームは、ブランド力の高さから優秀な人材を引き寄せる力があるため、コンサルタントのレベルは高いですし、そこを期待して発注する企業も多いはずです。
 
優秀な人材が多い環境であれば、刺激も多く、鍛えられるでしょう。
 
一方、規模を追求するあまり、案件の性質が少しずつ変わり、高級人材派遣、高級文房具(経営会議向けの資料作成)と揶揄されるようなことも聞かれるようになったとも感じます。
 
あるコンサルティングファームでは、少数精鋭を貫き、個人の成長の観点から未だに1人2ケース制で、毎回オーダーメイドでコンサルティングしています。
クライアントの規模に関しても、中小規模の案件が多く、対峙する相手は経営層ばかりだそうです。
 
このコンサルティングファームはOBの人数はあまり多くないですが、最近では数多くの起業家、経営者を輩出しており、個人的には非常に鍛えられる環境にあるのだと感じています。
 
コンサルタントと名乗る人が多くなってきている現在、今後は「どこのコンサルティングファームに所属していたか」ではなく、きっと「所属したコンサルティングファームで何をやってきたか」がもっと問われる時代になっていくのではないかと思います。
 
また、トップファームに優秀な人材が流れるのは、ポストコンサルのキャリアを見据える方が多いことも要因であり、今後それを加速するためには、コンサル経験者を採用する会社が所属ファームではなく、個々のコンサルタントの力量を正しくアセスメントできるようになると流れが変わるのではないかと感じます。
 
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